少々混み入ったストロボのセッティングを終え、しばし待つ。
インタビューを終えた小島が現れ、早速ポートレート撮影が始まった。
「分け目変えてもいいですか?」
撮影が進み、モニターの画像を確認した小島が言った。
そのままそそくさと鏡へ向かい、髪型を直す。
「こういう感じのほうがいいですよね?」という小島のより格好よく写りたい、という思惑、いや、プロ意識の高さにぼくは感心し、いーね!と心の中で喝采を送ったのだった。
そこから更にセッションを重ね、とうとう「おおーいいじゃん!」と広報の清水さんも太鼓判を押す一枚が撮れたのであった。
さて、フォトグラファー吉田のベストフォトです。
シーズン前に撮った狩俣選手も反響をいただいたし、今シーズン一番のビッグモーメントだったW杯予選オーストラリア戦でも、劇的な写真がたくさん撮れました。
ですが、ベストフォトを選ぶにあたって、こういった何でもないようなエピソードが印象に残っていた小島選手のカットを選ぶことにしました。
写される側の意識の高さが、写真のクオリティに与える影響は少なくありません。被写体となる選手とのやり取りやフィードバックは、フォトグラファーにとってはありがたいものです。
それに、こういった選手の素のキャラクターに触れられるのは、この仕事をしていて楽しいと思える瞬間でもあります。
本人にも気に入ってもらえ、ぼく自身も気に入っているカットになりました。
皆さんにはもう一度、小島選手の実直で飾らない人柄に触れられる、ライター松原さんの素晴らしいインタビュー記事を見直していただければと思います。
そしてついでにちょっと写真にも、目を向けていただけると嬉しいです。
もちろん、かれの髪型の変化にもご注目を(笑)。
アルバルク東京 小島元基 #1
ステップ・バイ・ステップ part1
ステップ・バイ・ステップ part2
ステップ・バイ・ステップ part3
筆者紹介/吉田宗彦
Photographer
ファッション、広告、カタログ撮影などで活動中のフォトグラファー。
バスケットボールに関わる写真「Ballscapes -ボールスケイプ-」はライフワーク。
https://www.munehikoyoshida.com/