統一プロリーグの草案に掲げられた参加要件は3つ。
「バスケを主たる事業として行う法人形態」
「チーム名は地域+ニックネーム」
「選手はプロ契約」
すでにプロリーグであるTK bjリーグはもちろん全チーム、NBLも13チーム中過半数以上となる7チームがすでに3つの条件をクリアしている。ネーミングライツとしてリンク&モチベーション社の名前を掲げるリンク栃木ブレックスは、現時点においてチーム名の条件のみ満たしていない。
チーム名に企業名が入ることを懸念するTK bjリーグ側。しかし、リンク栃木やTK bjリーグ同様にネーミングライツとして新たなるビジネスチャンスとなるかもしれない。TK bjリーグの河内 敏光コミッショナーは、「組織委員会の中での意見は仙台vs沖縄という表記の次に、トヨタvs群馬のようなものはどうなのか?(地域名で)統一した方がきれいではないか」と言う。
先日の説明会によると、統一プロリーグに向けた妨げとなっているのが企業チームの在り方。河内コミッショナー(元三井生命)も、NBLの丸尾充理事長(元住友金属)も企業チーム出身であり、それらのチームは今はもう無い。ゆえに両者とも、景気に左右され、母体企業が継続できないと言えば、いくらチームが好成績を収めていようが休廃部に追いやられてしまうことを問題視。その解決策として、母体企業に左右されずに一つの事業体としてチームを運営する法人化を条件に盛り込んでいる。それは現在のNBLが推し進めているところでもある。
充実した環境が整備されている企業チーム
昨シーズンのNBLチャンピオンである東芝ブレイブサンダース神奈川は、バスケに専念できる充実した環境を持つチーム。専用の練習場があり、選手寮が完備され、栄養面も行き届いている。引退後は東芝でそのまま働ける道があり、セカンドキャリアの心配もない。また、現役中から社会人として仕事を覚えることもできる。逆に言えば、働きながらバスケをしている東芝神奈川が、バスケだけに専念しているプロチームを打ち負かしてリーグを制したのだ。
今シーズン、WJBLから脱退した山梨クイーンビーズ。その理由として、メインスポンサーの撤退により、練習場が確保できなくなったことを第一に挙げていた。その当時は、新たに場所を探せば良いだけの話ではないかと考えていたが、今ではその意見も納得がいく。
練習環境が確保できなければ良い選手が獲得できない。十分に練習ができなければ強くなることもできない。それが解決されない限り、トップリーグに居座るのは失礼に当たる。
最高のパフォーマンスを見せるために集まった選手たちが、いつでも十分に練習ができる環境を与えることから着手しなければ、いつまで経ってもそのレベルは上がらない。全ての企業チームに、専用練習場が確保されている。同じような環境を持つプロチームがどれほどあるだろうか。