ポジションレスに取り組んで来たことを発揮
先日、その取り組みや岩井貞憲ヘッドコーチのフィロソフィーを紹介したアースフレンズ東京Z U15チームが、11月22日にトップチームと同じ大田区総合体育館でエキシビションゲームに臨んだ。ひとつカテゴリーが上となる広尾学園と対戦。高校生を相手に、身長こそ上回る東京Z U15チームの選手たちだが、身体の線の細さはやはり中学生である。
アースフレンズ東京Z・U15チーム 岩井貞憲ヘッドコーチ
可能性しかないU15世代へ向け、オールラウンドで取り組む成長の最大化
前編 https://bbspirits.com/bleague/c20111702/
後編 https://bbspirits.com/bleague/c20111801/
試合がはじまるや否や、東京Z U15チームは徹底したプレッシャーディフェンスでボールを奪い、次々と速攻からゴールを量産していく。ダンクまで決めて見せ、会場が沸いた。全員がオールラウンダーであり、ポジションレスに取り組んできたことをこの試合でも発揮する。東京Z U15チームのメンバーはさほど身長が変わらないこともあり、アウトサイドでプレーするのも当たり前のように感じていた。だが、メンバー表に目を落とせば、ボールを運んでいる選手やコーナーから3Pシュートを狙っている選手も190cm前後であり、プレーの幅の広さは将来に向けて可能性しかない。
オフェンスでは人とボールが動き、より確率が良いシュートを狙う。この試合に限ってはディフェンスがおもしろいように成功し、ほとんどが速攻からの得点だった。相手陣内でスティールした後、すぐさま前を走る選手に向けてタッチダウンパスを出す視野の広さも特筆すべき点である。エキシビションゲームから観戦に来ていたファンは、「やることが中学生じゃないよね」という感嘆の声が漏れていた。
年明けよりはじまるジュニア・ウインターカップでは、どんなプレーを見せてくれるのだろうか。速攻を出せないときに、ポジションレスで取り組む東京Z U15チームがどう打開していくかが興味深い。
Bリーグのユースプロジェクトにおいて、勝敗は二の次である。どんどん失敗し、その度にそびえ立つ大きな壁を乗り越えながら自信に変えてもらいたい。遊びは難しければ難しいほど夢中になれる。好きこそものの上手なれ──プロになる夢や目標へ向かって行くとともに、一生涯バスケを好きになってもらえる人材を育てて欲しいと切に願う。
東京はユース人材の宝庫
U15チームの育成に対するコンセプトを築いてきたのが、トップチームを率いる東頭俊典ヘッドコーチだ。2010年から3年間男子日本代表のアシスタントコーチを務めるとともに、渡邊雄太や馬場雄大らが高校生のときの世代別日本代表にも携わった経験がある。2017年にイタリアへ、2018年はギリシャへ渡り、コーチ研修とともにユースプログラムの仕組みを学び、それら全てを踏襲したものを東京Z U15チームにアウトプットしてきた。