bjリーグを制するための一つの答えとして、日本人選手の活躍が挙げられる。
コートに立つ5人中最大6割を占めるオンザコート3(3人同時出場可能)を採用するbjリーグだが、日本人が攻守に絡み100%の力を発揮できるチームこそ優勝に近い。イースタンカンファレンスで凌ぎを削り合う11チームに所属する選手たちの平均得点を比較してみると、首位・秋田ノーザンハピネッツはスタメン5人が平均二桁得点をマークする。富樫勇樹と田口成浩の2人もしっかりスタッツを残し、一番乗りでプレイオフ進出を決めた。
3位・岩手ビッグブルズも5人の二桁得点選手を誇るが、日本人選手は高橋憲一のみ。秋田以外に平均二桁得点に達する日本人選手を擁するチームは、bjリーグ全体を見ても富山グラウジーズだけである。チームのスタイルや選手の役割などそれぞれあるので、一概に大きな要因とは決めつけられない。しかし現時点では、複数の二桁得点を挙げる日本人選手がいる2チームが、イースタンカンファレンスの上位を占めている(全ての順位やスタッツは3月9日終了現在)。
日本人選手の活躍無しにチームの勝利は無い
オンザコート2からスタートする1Qに登場する3人のガード陣。初年度からリーグに参戦するベテラン城宝匡史は平均17点。3月8日には通算400試合出場を達成した。6シーズン目の中堅・水戸健史は12.8点。bjリーガーとして2年目を迎えた藤江建典は9.4点であり、二桁に届きそうな活躍を見せる。昨シーズンの王者であり、イースタンカンファレンスセミファイナルで立ち塞がった横浜ビー・コルセアーズを相手に、2連勝した22週目(3月8日-9日)。試合後、ボブ・ナッシュHCに先発で起用する日本人3選手に対する評価について質問を投げた。
「外国籍選手だけではなく、日本人選手たちにもしっかり仕事をするようにシーズンを通して伝えています。先発の3人だけではなく、ベンチプレイヤーも一生懸命練習から取り組んでおり、どの選手を起用しても得点を獲れることは信じています。日本人選手たちの活躍無しには、このチームの勝利はありません」
城宝、水戸、藤江はそれぞれ183cm前後と同じくらいの身長であり、それぞれがPGとSGの両方を担うコンボガード。そして、3人とも得点能力が高い選手たち。
「3人のガード陣は全員が、どのポジションでもプレイできます。たとえ外国籍選手たちが相手に止められたとしても、日本人選手たちが得点を獲って活躍できるのが我々の有利な点でもあります。特定の選手だけに頼るのではなく、コートに立つ5人全員でアタックするプレイをトレーニングキャンプから徹底させて来ており、それが実現でき始めています」
ナッシュHC体制となり2シーズン目を迎え、それぞれの信頼感が増したことで飛躍していることは、ゲームを見ていても感じられる。