「僕の人生の中で、今までいろんな経験をしてきたんですけど、自分にとって無駄な時間、無駄な経験はないと思っていて、起こり得ること全てを受け入れて進んできました。今回アースフレンズに戻ってきて、オールスターという機会をいただけたことはすごく光栄に思いますし、B3で3年間戦ってきて最後にこういう終わり方ができたのはすごく嬉しいことですね」
福岡第一高から日本体育大を経てB1でプロデビューを果たした井手は、一見エリートコースを歩んできたように見えるが、B1での2シーズンは思うように出場機会を得られなかった。東京Zに移籍してきたことで、井手の才能は開花。その舞台がB3であっても、東京Zでプレーできたことに井手は感謝している。

「大学が終わってBリーグに入って、なかなか思うようにいかないことも多かったんですけど、アースフレンズに来てバスケットボール選手としての自信をまた自分の中で取り戻せましたし、それだけでなく、これから先に向けてどんどん成長していけるんじゃないかなという期待が出てきたので、本当に良かったなと思います」
その中でも、やはり昨シーズンの準優勝という結果は特に印象深かったらしく、井手は当時のことを「結構鮮明に覚えてます」とのこと。それだけに、今シーズンプレーオフに進むことができなかったのは悔しいことでもあるが、チームの雰囲気は決して悪くなく、井手としてもやりがいを感じられていたようだ。
「もともと明るいチームではあったんですけど、プレーオフが近づくにつれてチームがしっかりまとまっていって、それこそ僕も自信に満ちあふれてたというか、負ける気がしない、勝てるだろうなという気持ちでプレーできてました。HCはチームで戦うバスケットをするので、それを遂行できて相手を倒すことができたと思います。今シーズンも僕が戻ってくるのがもう少し早かったらプレーオフもあったんじゃないかなと思いますし、僕が戻ってからも外国籍選手が揃わなかったりして、厳しい戦いは続いたんですけど、チームは下を向くことなく戦ってましたし、僕自身もなかなか勝ちがつかない中でも自分の成長に向けてポジティブにプレーすることはできてました」
従来の所属クラブである福岡からの退団は発表されたが、今後に関してはまだ明らかになっていない。ただ、26歳の井手には当然のようにいろんな可能性が残されている。病との闘いを経て逞しさを増した今、自身の未来を切り拓いていく決意も強くなった。

「年々Bリーグのレベルが上がってる中で、こうやって現役で4年目のシーズンを送れてきたことは誇りですし、でもそれに満足することなく、まだまだ上に行けると思ってるので、これからもどんどん練習して頑張っていきたいです。次にどこでプレーするにしても優勝を目指して戦い抜きたいですし、個人としてもしっかり結果を残して、これからもBリーグでプレーし続けるんだ、中心選手になっていくんだというのを証明する1年にできたらと思ってます」
文・写真 吉川哲彦











