新潟アルビレックスBBがB1中地区優勝を果たしたのは2018-19シーズン。それから5シーズンを経て迎えた今シーズン、新潟はB3リーグで戦っている。B1経験のあるクラブがB3まで降格した例は過去になく、2シーズン連続の降格も当然ながら初のケースだ。
クラブは再建に向けて動き出したものの、年々レベルが上がっているB3も簡単に勝てるリーグではない。開幕からの2節をいずれも1勝1敗で終えると、第3節こそ連勝したものの、第4節は連敗。そして、第5節のアースフレンズ東京Z戦も連敗となり、4勝6敗で順位を17クラブ中11位に落とした。選手のほとんどがB1経験者の新潟に対し、東京ZはB1経験者が1人しかおらず、11月2日のGAME2はその1人が欠場。3点差だったとはいえ、GAME2の敗戦は特に痛かった。川村卓也は、この連敗を冷静に振り返る。
「自分たちらしい勝ち方がなかなか見えなくて、もちろんコーチ陣も選手たちももどかしい気持ちがある状況で迎えた今週のゲームは、まずはチームで練習してきたことをコートで表現しようと取り組んだ試合でしたが、まだ上手く流れに乗りきれないというのが結果として表れたんじゃないかなと思います」
新潟は言うまでもなく、指揮官として古巣に復帰した鵜澤潤ヘッドコーチが明確な方針を打ち出し、チームとしてのスタイルを確立しようとしている段階。もちろん最初から全てがうまく回るわけではなく、シーズンを通して築き上げていくものではあるが、コーチ陣からの指示を遂行できないチームに対し、故郷再凱旋を果たした五十嵐圭は「一人ひとりの意識が低すぎる」と苦言。川村もまた、危機感を募らせている状況だ。
「自分たちがやるべきことをやれば消せるはずだった相手のチャンスを、より多くものにされてしまったゲームだったと思うんです。自分たちの完成度がまだまだ低いんだなというのが露呈したゲームだったと思うんですが、結局は自分たちが相手にチャンスを与えてしまっているということなので、やっぱり自分たち次第だと思うんですよ。相手の遂行力の高さでやられたのではなくて、自分たちでケアできるところをケアできず、みんなで補えなくて相手にチャンスを与える、そういうシーンが多かった。やっぱりこれは、自分たちが一つひとつ積み上げて、自分たちのレベルを上げていくしか改善の方法はないと思います。下を向いていても良いことはないと僕は思うので、自分たちができない、レベルが低い、弱い、それを受け入れた上で、どんな相手にもチャレンジャーという気持ちで毎週末を迎えなきゃいけないんだと改めて感じましたね」
かつてのJBLで日本人選手でありながら4シーズン連続得点王に輝いたほか、2006年に日本で開催された世界選手権(現在のワールドカップ)に出場するなど、現役ではトップクラスの実績の持ち主だ。故障で開幕節を欠場したということもあり、第5節までの出場は6試合で、合計得点も8点に過ぎないが、ブースターが期待するのはやはり得点力。自身もそこにフォーカスし、チームとしても個人としても現状を打破しようとしている。