東地区2位でプレーオフに進むことが決まっていた越谷アルファーズは、レギュラーシーズン最終節をホームで戦った。西地区優勝の滋賀レイクスを迎えた2日間はいずれも4000人以上の入場者数を記録し、第2戦の4209人は今シーズンの開幕戦を超えるクラブ史上最多動員数。その中で、第1戦で敗れた越谷は82–65でリベンジし、レギュラーシーズンを勝利で締めくくった。
越谷にとってのプラス要素はもう一つある。12月3日を最後に試合から遠ざかっていた二ノ宮康平が復帰したことだ。4月12日にインジュアリーリストから抹消されていたが、第31節にはベンチ登録されず、この滋賀戦も第1戦はベンチ外。長谷川智也らのコンディションの問題もあり、レギュラーシーズン最終戦でようやくコートに立つことができたわけだが、16分58秒の出場で3得点7アシスト2スティールと期待に応えてみせた。
前日の越谷は素早くボールを展開する滋賀のオフェンスに翻弄されたところもあったが、この日は逆に越谷のほうがパスがよく回り、チーム全体でも23アシスト。二ノ宮も「復帰戦で不安もある中だったんですが、チームとしてしっかりボールを回せたかなと思います。全体的にも良いディフェンスができて、そこから走れたし、セットオフェンスもよくできて良い流れになった」と、どちらかというと個人の出来よりもチームとして手応えを感じていた。
「7アシストもついてるとは思ってなくて、それだけチームバスケットができてたということだと思います。たまたま最後に僕が出したパスがシュートにつながっただけで、僕がドライブから良いアシストをしたという場面はたぶん一度もなかったので、全員がボールを回せたという証拠になるのかなと思います」
今シーズンの越谷は二ノ宮に限らず、主にポイントガードとして起用されてきた松山駿も途中離脱した期間があり、笹倉怜寿も故障がちで最終的に43試合出場にとどまるなど、司令塔のポジションが万全ではなかった。安齋竜三ヘッドコーチは、しっかり治してから復帰するほうが良いと本人とも話し合った一方で、もう少し早く戻ってきてほしかったというのが本音でもあったという。結果的に復帰まで時間を要してしまったことを経験として今後に生かしてほしいと思いつつ、チーム一丸で戦うためにも二ノ宮の早期復帰を望んでいた。
「ニノはハンドリング力を持ってるのでピックの使い方も上手いですし、ボール運びのところでターンオーバーも起きない選手。今日は活躍するんじゃないかと思ってて、想像通りでした。本人も最初は緊張してたという話でしたが、最後の1試合で出して良かったなと感じてます。ポイントガードに関しては試合ごとに課題も多く出てるので、しっかりしたガードが最後の最後で戻ってきたというのは、プレーオフに向けて良いことだと思います。
4カ月くらい出てなかったですが、その間ずっと頑張ってきた選手もいる。そこを無視して、戻ってきたからすぐ出すよというわけにはいかない。そういう意味では今回は運も良かったですが、そのチャンスをつかみ取った今日のプレーは素晴らしかったですし、それはチームのためにもなると思います」
二ノ宮自身は、欠場している間は冷静にチームの状況を見極め、復帰した際に自身がどうプレーすべきかを常にイメージしていたという。復帰戦にしては長くコートに立てたことも幸いしたのか、ゲーム勘を取り戻すこともできたようだ。