今シーズンのB3は新規参入の2クラブが既にプレーオフ進出を決めているが、東京ユナイテッドバスケットボールクラブも4クラブあった昨シーズンの新規参入クラブで唯一プレーオフ進出を果たしている。もちろん、今シーズンもプレーオフへの期待は高かったのだが、残り4試合となった現時点での順位は9位。開幕からプレーオフ圏内には位置していたものの、シーズン序盤から上位につけている立川ダイスに加え、シーズン中盤には湘南ユナイテッドBCも急浮上し、シーズン最終盤になって同じ参入2シーズン目のクラブに押し出されてしまった。
とはいえ、その両者とのゲーム差は1と、再逆転は十分に可能だ。3月22日・23日の福井ブローウィンズ戦はプレーオフ進出に向けた試金石となる試合だった。結果的には連敗してしまったが、第1戦のスコアは75-81。1試合平均失点がリーグで2番目に少ないディフェンス力を発揮し、同得点が90点を超える福井をスローダウンさせ、ある程度抑えることはできた。どちらかというと、東京Uのゲームプランに沿った展開であり、上田雅也も試合運びとしては悪くなかったと証言する。
「ずっと僕らのペースというか、お互い我慢比べの時間帯が続いたと思うんですが、最後のほうで相手の集中力が高かったかなというのと、自分たちのやりたいことができなかった部分もありました。個人的にはジャンパーが決まっていればもっと楽な展開だったんだろうなという反省もありつつ、チームとしての反省もありますが、チャンスはあるという手応えも感じました」
決して悪くない試合であったことは確かだが、今の東京Uはプレーオフ進出のために1つでも多く勝たなければならない状況。リーグ首位を独走する相手に6点差と粘ったことを前向きに受け止めようとしても、上田は「そんなことは言っていられない」と吐露する。
「プレーオフに行けるかどうかという状況なので、本音を言うと勝たなきゃいけなかった。6点差だからOKではない。(早水将希)ヘッドコーチも言ってたんですが、競ったらOKではなく、勝ちきるチームにならないといけないと思います」
上田は2015-16シーズン途中、今でいう特別指定選手のような扱いで埼玉ブロンコスに入団し、bjリーグ最後の新人王に輝いた。1番・2番の両方をこなせるコンボガードとして、そのシュート力は常にチームの武器の一つとなっており、それは昨シーズンから在籍している東京Uでも「求められてることが得点だと思うので、シュートが入っても外れても打ち続けること。果敢に狙っていきたい」と変わらない。
スターターを務めたこの福井戦も、「順位が物語るように強い相手なので、ガードとしてみんなが後に続くような強気のプレーを見せようということは最初から決めていた」と語るように、第1戦はチーム初得点のフリースローを2本とも落ち着いて決め、その後も3ポイント1本とフリースロー2本。最初の3分余りで、東京Uは9-1と先手を取ることに成功した。上田も「ファウルを貰ったり3ポイントが入ったりしたので、個人的には乗っていけるかなという気持ちでした」とチームを引っ張った感触はあったようだ。