黒星の多さが早くものしかかる24チーム制
60試合あるレギュラーシーズンにおいて、14試合は1/3にも満たない。まだまだ巻き返せる時間も、試合数も残っている。しかし、コロナ禍を経て16チームから24チームに肥大した現在、チャンピオンシップ争いに目を向ければ、黒星の多さが早くも重くのし掛かる。コロナ禍前は各地区6チームだったが、その1地区よりも多い8チームが増えたにもかかわらず、チャンピオンシップへ進めるチーム数は変わらないことで必然的に狭き門になっている。
群馬は(5勝)9敗目を喫し、東地区1位アルバルク東京に8ゲーム差、同2位の宇都宮ブレックスにも6ゲーム差がついた。水野宏太ヘッドコーチは「現実的な話をすると、自分たちはこれから8〜9割勝っていかなければいけない。46試合でそこをクリアしなければならず、プラスして東地区2位以上に入ることをしっかりと考えて行く。その両軸が必要になる」と巻き返しへ向けてシミュレーションする。東・中・西の各地区上位2位以上の6チームに加え、勝率の高い2チームがワイルドカードでチャンピオンシップへの出場権が得られる。「今シーズンは西地区の勝率が高く、昨シーズン以上にワイルドカード争いは厳しくなる」ことも想定しており、現時点で西地区は8チーム中6チームが勝率5割を超えている。
群馬は平均15.3点をマークするベン・ベンティルとプレーメイカーのトレイ・ジョーンズがインジュアリーリスト入りしており、彼らが復帰すればチームはよみがえる余力がある。群馬だけに限った話ではなく、黒星が先行するチームはそれぞれに浮上するきっかけを持ち合わせている。だが、チーム数が増えながらも試合数は変わらず、そのために同地区対決が6試合から4試合に減り、自力で上回る機会がそもそも少ない。上位2チームが高勝率で引っ張っているだけに、その差が早くも浮き彫りになっている。
FIBAワールドカップで活躍した日本代表ブームで各会場が埋まり、これまで以上にその注目度も高い。「日本代表の活躍によって、チーム方針も変わってきている」と辻が感じているとおり、機動力ある外国籍選手などその質が高まり、日本人選手とマッチアップする機会が増えたことで全体的に日本バスケのレベルも上がっている。長いシーズンの1試合1試合を、チャンピオンシップへ望みを長く継続させるためにもテコ入れが必要ではないかと感じる。
肥大したチーム数を2026-27シーズンから新たにはじまるBリーグ・プレミアを前に、もう一度16チームへダイエットすべきか。はたまたプレーインのような形で、チャンピオンシップへの出場枠を増やせば良いか。逆に、これから疲弊してくるチームが出てくることで混戦状態になることを想定すれば60試合の現状ルールが最も適しているのかもしれない。選手たちがリフレッシュし、戦力を整えて次節を迎えるための大事なバイウィークに突入した。
文・写真 泉誠一