「まだまだ伸びるポテンシャルある選手たちが15人もいる」ライアン・リッチマンヘッドコーチ
シーホース三河のダバンテ・ガードナーが先制し、54-44と10点差をつけて後半がはじまった。対する千葉ジェッツは、金近廉がノリノリで3本連続3ポイントシュートを決める。第3クォーターの展開を、千葉Jのジョン・パトリックヘッドコーチは「2000年代のNBAみたいな得点の取り合いになった」と表現する。互角のゴール数だが、3ポイントシュートを多く決めた千葉Jが追い上げる。ディー・ジェイ・ステフェンズのバスケットカウントで68-68、同点に追いつく。しかし、三河もジェイク・レイマンの3ポイントシュートでリードを奪い返し、76-72と4点差をつけて最終クォーターへ向かった。
前日(11月4日)は逆に、千葉Jが10点リードして第3クォーターを終えている。その後の10分間で三河が追い上げ、最後のシーソーゲームを制し、88-83で逆転勝利した。しかし、2戦目のこの日は「第4クォーターにすごく良いディフェンスができ、14点に抑えたことが勝因」とパトリックヘッドコーチのコメントどおり、三河を90点に抑えた千葉Jが101点を奪って逆転勝利。1勝1敗の五分で終えることができた。
三河のライアン・リッチマンヘッドコーチは、千葉Jに3ポイントシュートを17本許したことを敗因として挙げ、「昨日はそこを落とさせるディフェンスができていたが、やっぱり2日連続は止められず、大きな改善点でもある」と悔やむ。3ポイントシュート試投数を比較すると千葉Jの42本に対し、三河は29本と13本も少なかった。その理由に対し、「3ポイントシュートラインの上からタフに強度の高いディフェンスをしてきた」とリッチマンヘッドコーチは千葉Jの対応に苦戦した。今後の改善として、「良いスペーシングを取ること、どこが空いているかを見つける視野の確保など、自分たちが成長していかなければいけない」と続け、リーグ2位(※11月5日現在)の37.5%の成功率をキープしながら、その数を伸ばしていけば脅威となる。
千葉Jから1勝を挙げた三河は、6勝5敗で中地区3位(※11月5日現在)。昨シーズンはミネソタ・ティンバーウルブスでプレーしていたジェイク・レイマンやザック・オーガスト、得点力ある石井講祐と久保田義章が新たに加わった。就任したてのリッチマンヘッドコーチは、実戦を通して選手それぞれの特徴を把握しながら、チームケミストリーを高めている。「成長の余地がある」とリッチマンヘッドコーチは期待を寄せ、選手の能力だけでこれだけ勝利できているのが現状だ。チーム練習とは別に、その前後には選手の特徴を引き出すための個人ワークアウトも日々行っており、「まだまだ伸びるポテンシャルある選手たちが15人もいる」とチームとして成長して行くこれからが楽しみである。
「すごく良かったのはオフ・ザ・ボールからの得点」ジョン・パトリックヘッドコーチ
3ポイントシュートで凌駕した千葉J。17本中7本を成功させた富樫勇樹は、Bリーグ史上初900本成功の偉業を達成した。800本を記録したのが今年3月15日のレバンガ北海道戦であり、235日間で100本上乗せした。だが、6〜9月はオフシーズンであり、その期間を除けば約100日で100本成功させたことになる。このまま行けば、チャンピオンシップを含めてあと200日ほどある今シーズン中の1000本達成も十分期待できる。
「もちろんこの記録はうれしいです。チームメイトがスクリーンをかけてくれて、5人全員が連動して動いて、やっと生まれる3ポイントシュートも多くなるので、本当にチームの信頼があってこその記録。その信頼がすごくうれしいです」と富樫は喜びの声を残した。