「フィジカルに向かって来る相手に対しても、自分たちのバスケを遂行できるかどうか」レマニスHC、「練習からどれだけ意識して取り組み、試合で意識せずに出せるようになれるかどうか」安齋HC
互いに昨シーズンのB2プレーオフ進出チーム同士の対戦となったA千葉vs越谷。B1昇格を逃した無念の思いを払拭し、新たなシーズンに臨んでいる。B2のレベルは確実に上がっており、B1から降格した滋賀レイクスはすでに(3勝)3敗を喫し、新潟アルビレックスBBに至っては6連敗中で未だ勝ち星がない。過去の結果を見ても、60試合中15敗前後で抜けたチームが、B1へ昇格している。本来であれば負けても良いリーグ戦だが、B2はそれが許されず、常に高い強度で確実に勝利をつかんでいかねばならない。
今シーズン初黒星を喫したA千葉のレマニスヘッドコーチは、「この敗戦から2つの学びがあった」と話し、B1昇格へ向けた課題が浮き彫りとなった。
「一つは、どれだけフィジカルに向かって来る相手に対しても、自分たちのバスケを遂行できるかどうかが課題になる。非常に効果的なスクリーンをセットされ、そこをうまく解くことができなかった。もう一つは、LJ・ピーク選手に26点を決められたが、その多くはイージーシュートを与えてしまっていた。ピック&ロールに対して、用意していたディフェンスが遂行できていなかった。私のタイムマネジメントにも原因があり、(ブランドン)アシュリー選手は33分、(デレク)パードン選手も30分以上出場し、やっぱり2戦目は疲労がある。それらも含めて、もっとローテーションの部分を考えていかなければいけない」
1勝を奪い返すことができた越谷だが、「本当に意識してやっと出せるかどうか」という安齋ヘッドコーチが目指すスタイルにはほど遠い。だが、悲観してもいない。
「まだ意識しないとできないという状況なので、そこを練習からどれだけ意識して取り組み、試合で意識せずに出せるようになれるかどうかが、このチームの未来を変えていく。今日みたいなゲームをベースにできていけば、絶対に良くなっていける要素はまだまだいっぱいあり、伸びしろもいっぱいある。だからこそ、まずはベースをどれだけ高い位置で作れるか。今は、そこだけを選手たちと一緒に作っており、そのあとは選手たちの良い部分をどんどん出していってくれれば、本当に良いチームになる。その要素はいっぱいあると思っている」
どちらもアップテンポなバスケスタイルであり、フィジカルな戦いはB1と比較しても遜色ない。レマニスヘッドコーチは「選手たちのハードワークする姿は、試合を見ていても疑いの余地はない」と及第点を出す。それに加えて、安齋ヘッドコーチが問う「B1に上がってそこで勝ちたいのか、ただB1に上がりたいのか、それともそれなりにバスケを続けたいだけか?」に対し、選手がどこを見据えているかもB2では欠かせない。その思いを一枚岩にできたチームが成功へ近づける。
次戦は、すぐさま水曜ゲームがやって来る。越谷は新潟と、A千葉は福島ファイヤーボンズをそれぞれホームに迎え、負けられないタフな戦いが続くB2にも注目だ。
文・写真 泉誠一