B2勝率トップのアルティーリ千葉「週5日の練習でコミットした成果」
先日、 JBAテクニカルハウスオンラインセミナーに参加。技術委員会の冨山晋司氏が講師となり、『男子U17世界選手権大会から見る世界基準のバスケットボール』というテーマで、U17オーストラリア代表の戦術を掘り下げていく。身体的高さだけではなく、高いバスケIQで状況を打開して行く姿に青ざめる。当然良い場面をクリップした試合映像だが、見ている度に「これって17歳なんだよな」と何度も自問自答した。その後、オーストラリアの育成や強化の礎を築いた一人が、アンドレ・レマニスヘッドコーチだと知る。創設2年目、B3から昇格して1年目のアルティーリ千葉が、勝率トップ(78.3%/47勝13敗)でB2レギュラーシーズンを終えたのも納得である。
A千葉の強さはオーストラリア代表と同じく、徹底した遂行力にある。レマニスヘッドコーチが目指すバスケスタイルを体現するには、バスケIQの高さと経験値が必要不可欠だ ── と仮説を立てた。ゆえにレオ・ライオンズや大塚裕土ら多くのベテランを揃えたことで体現でき、結果として現れているのではないか? そうレマニスヘッドコーチに質問すると、「それもひとつある」と認める。しかし、それ以上にチームとして日々取り組んできた結果であり、稚拙な仮説は一蹴された。
「試合は週2日、それ以外の5日間は練習している。その5日間に対して、全員がいかにコミットできるかで練習の質も変わってくる。その成果が大きい。山あり谷ありのシーズンだったがチームとして団結でき、感情的にもアップダウンする状況を一緒に乗り切れたことが何よりも良かった」
レギュラーシーズン最終節は、東地区首位を争う越谷アルファーズとの直接対決。初戦を過去一番のエネルギーを出したA千葉が91-73で圧倒し、B2東地区首位通過を決めた。翌日はライオンズと杉本慶を休ませ、代わってポイントガードは大崎裕太が今シーズン2度目の先発を務める。ブランドン・アシュリーとイバン・ラバネルのビッグマンを休ませる時間帯には、鶴田美勇士が躍動した。キャリアハイの23分50秒出場し、コートに立っている間の得失点は+5と活躍。レマニスヘッドコーチは「練習のときから良いディフェンスは見られており、今日はそれが試合の中でも大きな相手に負けることなくしっかりと抑え込むことができていた」と評価する。しかし試合は70-75で敗れ、最終戦を勝利で飾ることはできなかった。クラブ最多となる4,212人のファンの前でプレーできたことを喜ぶとともに、「昨日プレーできなかった分、今日は一生懸命プレーするって自分の中でも決めていました。どうしてもこの試合は勝ちたかったので、すごく悔しい気持ちでいっぱいです」という鶴田のコメントが、全員でコミットしてきたA千葉の強さを物語っている。
「チームにとって良いことをすれば、自分にとっても良いことがある」岡田優介
利き腕の骨折を乗り越えて復帰した直後、ふたたびケガに見舞われた岡田優介が、約1ヶ月ぶりに復帰を果たす。越谷を追いかけるラストの場面で、2度の3ポイントシュートを打つチャンスがあったが、この日は決め切れなかった。しかし、22分22秒のプレータイムをプラスに捉え、「プレーオフは必ず今日のゲームを活かし、チームの力になれると確信しました」と約2週間後を楽しみにしている。