「苦手なイメージはない」シェーファー アヴィ幸樹が攻守で奮起
「昨シーズンのチャンピオンシップ進出を止められた相手だったので、チームとしても『絶対に勝つ』と気持ちが入りました」とシェーファー アヴィ幸樹が言うように、1つでも勝てば次のステップに行けるはずだった。しかし、昨シーズン最後に対戦した川崎ブレイブサンダーズに2連敗し、チャンピオンシップへの道が潰える。早々にシーズン終了となってしまった。
Bリーグ過去6シーズンでの戦績は8勝13敗、川崎には負け越している三河。西田優大は「チームとしてもなかなか厳しい状況だった」と感じており、2勝4敗と負けが先行してはじまった今シーズン。対する川崎は、4勝2敗で同じ西地区の首位に立つ。チームを上向かせるため、苦い思いをさせられた昨シーズンのリベンジのためにも、喉から手が出るほど勝利を渇望していた。
西田の連続得点からスタートした今シーズンの初対戦は、川崎に一度もリードを許さず、83-67で三河が勝ち切った。最後に川崎を破ったのは2021年1月5日であり、654日ぶりに勝利をつかむことができた。鈴木貴美一ヘッドコーチは開口一番、「川崎を相手に83点を獲れたことがうれしい」と話し、開幕から伸び悩んでいた得点力の回復に喜ぶ。続く2戦目も77-75で接戦を制し、チームにとっては勢いに乗る2連勝となった。
川崎に対する「苦手なイメージはない」というシェーファーは、その言葉どおりに3本の3ポイントシュートを決める。「相手が大きいこともあり、インサイドを固めてくるので、そこで3ポイントシュートを打てることはこれまでもありました」と自信を持ってシュートを放つ。ニック・ファジーカスに26点を奪われたが、マイケル・ヤングジュニアを6点に抑えたディフェンスでも貢献。7本のリバウンドを記録し、「相手の方が大きいので、普通に取れてしまうこともあるとは思いますが、それに対して飛び込みリバウンドを意識していました」というシェーファーは、インサイドプレーヤーとしての役割を全うする活躍で勝利に貢献する。
NBAで8シーズン過ごした豊富な経歴を引っ提げて、今シーズンより新加入したカイル・オクイン。チームハイの19点を挙げ、早くもチームにフィットしている。流れが悪くなればハドルを組み、リーダーシップを発揮。同じポジションのシェーファーは、「開幕から数試合は迷ってプレーしていました。チームのことを優先しすぎて、自分のプレーができなかったです。そこを彼に指摘されて、もっと自信を持って打てる時は自分のシュートを大事にしろと言われました」というオクインからのアドバイスに支えられている。
プレーだけではなく、常にいろんなところに気を配るナイスガイ。試合中は笑顔でレフェリーに接し、試合が終われば川崎のベンチへ走って行き、スタッフ一人ひとりと握手するオクインの人柄の良さが、すんなりとチームに溶け込んでいる大きな要因と言えよう。