橋爪HCは「彼の良いところは、ディフェンスでコミュニケーションを取るところ。ディフェンスミスで誰かがフリーになる危険を察知できるし、周りを見て良い判断ができる。今何をしないといけないかを周りに伝えて、方向性を示せる点で貢献度が高い選手です」と称賛。決して多くはない数字の有効性もさることながら、数字に表れない部分での貢献という点でも、東京Zに最も欠かせない選手ということが言える。
当の鹿野自身は、「この1週間はメンバーを変えて、練習のインテンシティを上げて準備した成果が第1クォーターに出た。試合の入りが全てだったんじゃないかと思います」とチーム全体の出来を強調。続けて、先に記者会見に登壇していた橋爪HCとまるで口裏を合わせたかのように「前半でまだ10点差だったので、過去3戦に比べたら全然やれる」と、大差で敗れた3連敗を引き合いに出した。鹿野はそれも、チームが成長した証と受け止めている。
「ハーフタイムは若手が声をかけ合っていて、ポジティブな雰囲気でした。僕がそこで何か声をかけたかどうかは覚えてないんですが、試合に限らず練習中でもそれは意識していることで、若手がリーダーシップを取ってやっていこうということはずっと言ってきたことなので、今日に関しては特に和真がみんなの前で積極的に話をしていたのが、僕は嬉しかったですね」
東京Zは40歳の城宝が最年長で、それに次ぐのが34歳の鹿野。城宝は性格的にマイペースなところがあるということもあり、チームをまとめる上では鹿野の存在が大きく、自身も若手のリーダーシップを促しつつもその自覚を持つ。
「僕自身は、そういう意識はあります。城宝さんはたぶんそれはあまり考えてない(笑)。でも僕も、城宝さんは周りのことを考えるよりも点を取ることだけを考えてくれれば良いと思ってるので、チームに方向性を示すのはどちらかというと僕の役割。寄せ集めの選手と、初めてHCをやる人のチームなので、アシスタントコーチの役割と言ったら言いすぎかもしれないんですが、間に入ってコミュニケーションを取ろうと思ってます。他のチームだったらACが何人かいたりしますが、このチームは人が足りない(笑)。僕はそういうところも貢献できたらと思って入ってきたので、そこは意識してますね」