BリーグはU15チームに続き、昨年からU18チームを保有することがB1ライセンスに盛り込まれ、新たな育成がはじまった。昨年に続き、「B.LEAGUE U18 CHAMPIONSHIP 2022(以下チャンピオンシップ)」が8月13日から4日間開催され、昨年と同カードとなった決勝は、71-68で名古屋ダイヤモンドドルフィンズU18を破ったレバンガ北海道U18が2連覇を達成。昨年の16チームから34チームに出場数が倍以上となり、比例するようにそのレベルも上がっている。この中からトップチームにコールアップされ、プロとして活躍する選手が一人でも多く輩出できたときこそ、真の評価を得られるだろう。
世界を見渡せば、また他競技を見ても、U18世代の次はもうプロとなるケースが主流である。U18チームを指揮するコーチ陣はトップチームへの架け橋になるための指導を重視し、選手たちにとってはプロに近い位置にいるメリットを見出している。ベスト4に進出した各チームのヘッドコーチに、U18チームの取り組みや現状について話を伺った。
同じ学校に通いながら高めるチームケミストリー
優勝:レバンガ北海道U18 / 齋藤拓也ヘッドコーチ
決勝は昨年と同じカードとなり、お互いに対戦イメージができていたと思います。その中で相手のゲームプランを読み合いながらの対戦は僕自身も楽しかったですし、選手たちも最後のテッペンを目指す中でエネルギーを発揮して戦ってくれました。
昨年のチャンピオンシップ後に行われたU18 INTERNATIONAL CUP(2022年2月)の決勝で横浜に敗れました。ELITE6 LEAGUE(2021年10-11月)でも、昨年のチャンピオンシップでも勝っていた横浜に、昨シーズン最後の最後になぜ負けたのかについて振り返る期間があったことが大きかったです。
気持ちの強さをしっかりと持って戦うことがひとつめの課題点として挙がりました。明らかに横浜のエネルギーの方が上でした。もう1つ、ELITE6 LEAGUEで福岡に負けた試合も踏まえ、ディフェンスの強化にたどり着きました。春先からディフェンスを鍛えてきたことで、今大会では素晴らしい攻撃力がある琉球を相手にも60点台に抑えて勝つことができました。決勝の名古屋D戦は終盤に追い上げられましたが、最後の最後まで粘り強く勝利に向かって貪欲に戦えたのもディフェンスの強化が成果として現れた結果です。
昨年から北海道文教大学附属高校に通いながらU18チームとして、選手たちが同じ建物の中で朝から夜の練習までしっかりコミュニケーションを取れることは、コーチングスタッフとしても欲していた環境でした。U15チームでは2時間の練習時間だけでコミュニケーションを取って、そこでチームケミストリーを高めることが課題でした。U18チームでは、学校生活を含めて何倍も同じ時間を共有できたことが効果として現れています。選手たちの会話もバスケットだけではなく、学校やプライベートのことなどいろんな話題で話すことができるようになったのは、チームにとって大きな影響を与えています。