越谷アルファーズの専属チアリーダー、アルファヴィーナスの一員として2シーズンを過ごし、新たなシーズンから専属プロ契約を結ぶことが発表されたHazuki。これまでの道のりは前編で紹介した通りだが、この7月からは正式に専属プロ契約期間に入り、より強い責任も伴う。はたして彼女は、チアリーダーの在り方をどのように志向し、どのような姿を示していくのか。
そもそも、このアルファヴィーナスがHazukiにとっては初めて属するチアリーディングチーム。チアダンス初心者だったHazukiがたった2年で専属プロ契約にふさわしいと認められたのは、いうまでもなく素晴らしいことだ。当然、そこに至るには本人の努力が少なからずあったに違いないのだが、Hazuki自身はいたって謙虚だ。
「自分のやりたいこと、好きなことだから続けてきたというのはもちろんあるんですけど、私としてはSNSの力がすごく大きいと思っているんです。ブースターさんが撮ってくださる写真が生で見るよりも素敵で、そういった方の拡散の力と、それを拾ってくれるクラブの力が合致したのが大きいと思っています。SNSにある写真が一人歩きしないように頑張らないとって思いますね。会場に来られた方に『マスクを取ったらそうでもなかったよ』って言われないように(笑)」
この言葉にもあるように、確かにSNSの影響力は相当に強い。TwitterやInstagramなど誰もが手軽に楽しめるツールがある今の時代は、どこにいても様々な情報に触れることができる。特にチアリーダーの話題はあっという間に拡散され、他クラブのファン・ブースターにもその存在をよく知られているHazukiも、チアリーダーという存在自体の影響力の強さを実感している。
「私やアルファヴィーナスに限らず、どのクラブも同じだと思うんですけど、チアリーダーはホームゲームにしかいなくて、応援しているのは私だったらアルファーズになるんですよね。でも、その垣根を越えられるのがチア独特の立ち位置で、来てくださるお客様にホームやアウェーは関係ないんです。もちろんホームのブースターさんにたくさん来ていただいて盛り上げていただくことが一番大切なんですけど、わざわざ遠くから遠征してくださるお客様もいらっしゃるじゃないですか。そこで勝つか負けるかしかなくて、でもどちらのチームが勝ったとしても『来て良かったね』と思ってもらいたいし、『負けたけど楽しかったね』って思っていただけるようなパフォーマンスができるのは、チアを含めたエンターテイメントの部分。私はその役割を果たしたいです」
その影響力を身をもって知るだけに、専属プロ契約ともなればさらに責任感が増してきそうなもの。ただ、前例の少ない事例であることに加え、本人は「まだたった2年」という意識も強く、まずは自身のパフォーマンス向上が大前提と考えているようだ。