「横浜のブースターのために」レジナルド・ベクトン
「今日は最初から力強くエナジー全開でファンの皆さんのために戦おうとみんなで話して臨みました。たくさんの声援を受けながら、良い試合内容で勝つことができて良かったです」と試合後のコメントを残したレジナルド・ベクトンは11点・10リバウンドとダブルダブルの活躍を見せた。20勝目を挙げたこの日、ベクトンにとっては今シーズン20回目のダブルダブル達成となった。しかし、勝利に結びついた試合は7回しかなく、「ダブルダブルを狙って試合に臨んでいることは一度もない」ことを強調する。
「試合中は自分にボールが回ってきたり、流れの中でしっかりと自分ができるパフォーマンスをしているだけ。その結果として、ダブルダブルが取れているときもあります。でも、今日のようにダブルダブルを達成し、さらに試合に勝つことが最高のセットであり、良いパフォーマンスができたと思っています。試合の流れの中で、得点やリバウンドを取ることを目指して試合に臨んでいるだけです」
横浜でプレーして3年目のベクトンにとって、20勝を達成できたことは「素直にうれしく思う反面、もっと勝てたという印象の方が強い」というのが正直な気持ちだった。「でも、これまでの歴史を塗り替えられたことが本当にうれしく、チームにとっても前向きなこと」と言うように、ここから上がって行けば良い。
「毎シーズンこのチームは少しずつ成長していることを感じています。メンバーが変わっても、3年目に新記録を達成できたことがうれしいです。何よりも横浜のブースターのために、明日のホーム最終戦は何が何でも勝利を届けて、さらに勝ち星を積み上げたい気持ちしかありません」
ベクトンの言葉どおり、翌日の茨城戦も91-85でホーム最終戦を2連勝で終えた。この勝利でホーム11勝を挙げ、こちらも新記録を達成し、満員のブースターに頼もしい姿を見せることができた。次戦、新潟アルビレックスBBとのアウェーゲームを残すのみとなる。2連勝すれば、勝率は4割に届く。いずれもチャンピオンシップに届かなかったチーム同士の対戦であり、有終の美を飾るためにも負けられない。
文 泉誠一
写真 B.LEAGUE