早くも活躍する新卒ルーキー&特別指定選手
白鷗大学出身以外にも特別指定選手や新卒ルーキーが次々と発表される中、千葉の大倉颯太(東海大学)や大阪エヴェッサの高島紳司(大東文化大学3年)、横浜のキング開(専修大学)と河村勇輝(東海大学2年)らは早くもフィットしはじめている。
昨シーズン、千葉での4試合目にヒザの大ケガを負った大倉だが、その実力はすでに証明済み。3シーズン目を数え、バスケIQ高くチームのシステムを把握し、東地区首位に立つチャンピオンチームの戦力として数えられている。最後のインカレで優勝を逃した悔しさを、赤いユニフォームで晴らすことができるか。
大阪での2シーズン目は、平均得点7.6点と幸先良いスタートを切った高島。まだ5試合だが、平均得点はチーム内での日本人トップを誇る。12月25日の川崎ブレイブサンダース戦では28分出場し、23点のキャリアハイをマーク。圧巻は、5本の3ポイントシュートを含む9本のシュートを100%成功させた離れ業で、大阪ファンのハートをグッとつかんだ。
ともに横浜での2シーズン目を迎えたキングと河村は、揃って5試合に出場。東海大学と同じくシックスマンとして、約20分出場する河村は12月29日の新潟戦で14点/7アシスト、1月2日の大阪戦では17点/9アシストと活躍を見せる。キングも、直近の大阪戦での2試合は22分の出場時間を与えられた。若い力がチームに新たな波を起こし、勝利を呼び込みながら順位を上げてもらいたい。
アジア枠の若き逸材がBリーグの価値を高めていく
Bリーグや日本の生活に慣れ、調子が上向きはじめたアジア枠の若き選手たち。三遠ネオフェニックスのサーディ・ラベナは昨シーズンの平均9.1点から12.7点にスタッツを伸ばし、1月3日の川崎戦では12リバウンドを挙げ、初のダブルダブルを達成。信州のヤン・ジェミンはまだ22歳。少しずつプレータイムが増えており、出場時間さえ与えられればしっかり二桁得点を挙げ、その実力を示しはじめている。Bリーグで成長したアジア枠の選手たちが各国代表に選出され、日本代表のライバルになることがBリーグの価値をさらに高めていく。
まだまだ紹介したい選手はいるが、最後は宇都宮のテーブス海を推したい。すでに説明不要なほどメディアで露出されてきたが、期待されているほどの活躍はできていなかった。経験豊富なポイントガードが多い宇都宮の中で、直近5試合はテーブスが先発を任されている。プレータイムが延びたことで二桁得点も増え、期待通りの活躍を見せはじめた。与えられたチャンスで信頼をつかみとり、新たなフロアリーダーとしてチームを引っ張る活躍を期待している。
数字に表れはじめた選手を中心に紹介したが、いずれも未完の大器である。他にも活躍し、実際に数字を残している選手もいるが、こちらの期待値が大きいゆえに物足りなさを感じる。若手ばかりではなく、移籍したベテラン選手は時間とともにチームにフィットし、本領を発揮しはじめてきた。一方で、コロナ陽性者や濃厚接触者が増えてきたせいで、このオールスターブレイクにしっかりチーム練習ができなかったことが悔やまれる。
まだ巻き返しが効くこの1ヶ月間はぜひ若き戦力にチャンスを与え、その芽にたっぷり水を注いでいただきたい。チャンピオンシップに向かって、グングン伸びていくはずだ。チャンスをもらったヤングガンはミスを恐れず、オフェンスでは良い意味でセルフィッシュに数字を狙って行って欲しい。ミスしても、ディフェンスでハードワークし、取り返せば良いだけである。
文 泉誠一
写真 B.LEAGUE