成長が見られた横浜のディフェンス力
すでに来シーズンはフランスのJDAディジョン・バスケットで指揮を執ることが決まっているミリングヘッドコーチと、引退を表明した竹田謙にとってはこれが本当のラストゲームである。ミリングヘッドコーチは、「がんばってくれた選手たちを誇りに思う。シーズンをこのような形で終われたのはチームとしても本当に良かった」と選手たちを称えた。「A東京に2連勝したのははじめてのことであり、勝ったのも今シーズンがはじめて。5年間なかなか勝てないシーズンが続いていましたので、東地区8位(※5月5日時点)という結果自体は大きく変わっていないですが、19勝という最多勝記録を作り、今後の成長を感じながらシーズンを終えられたことは去る者にとってもうれしく思います」という竹田にとっても、印象に残る最終戦となった。
過去3シーズンは80点を超えていた失点数を、78.5点に抑えたことがシーズン最多勝率を更新した要因と言える。ミリングヘッドコーチは、ディフェンスをベースにチームを作り上げた。「マンツーマンディフェンスには自信を感じています。相手のオフェンスの強みをしっかり消すことに対し、共通意識を持ってできていました」という竹田も、戦っていて手応えがあった。ディフェンスの成長について、ミリングヘッドコーチは以下のように語ってくれた。
「ディフェンスが成長したことで接戦も多かった(※4月以降は5勝6敗。そのうち一桁点差で惜しくも敗れた試合が4試合)。終盤にかけてディフェンスの成長が見られたのは、選手たちが私のスタイルを信じはじめたことがひとつの要因である。シーズンを振り返っても千葉や宇都宮、川崎などリーグのトップチームに対してもディフェンスでは勝負できていた。オフェンス面では、選手層の厚さなど小さなピースが欠けていた部分はあったが、シーズンを通してディフェンスに関してはトップチームとも戦えることは証明できた」
Bリーグでの5年間で、横浜は7人も指揮官が代わっている。ミリングヘッドコーチの2年目を楽しみにしていたが、早々にその道は絶たれてしまった。ならば、横浜出身であり、長年チームに携わってきた山田謙治アシスタントコーチの昇格に期待したい。
レギュラーシーズンもあと4日で終わる。敗れたA東京だが、アウェーでの新潟アルビレックスBBとの最終戦へ向けて気持ちを切り替えた。3試合残っている新潟が全勝すれば、勝率で横浜を上回って順位を入れ替えられる。
東西カンファレンスの1位こそ確定済みだが、それ以外はまだまだ順位が入れ替わる可能性があり、チャンピオンシップの対戦カードも決まっていない。東地区2位の千葉ジェッツは残る2戦で1勝すれば、ホームコートアドバンテージをつかむことができる。東地区3位の川崎ブレイブサンダースと4位の富山グラウジーズはすでにシーズン終了しており、祈ることしかできない。サンロッカーズ渋谷も、最終戦の千葉に勝てば4位に浮上する。
西地区は今週末、現在2位・大阪エヴェッサと3位・シーホース三河(ゲーム差0.5)が直接対決を迎える。『もう一瞬も見逃せない』クライマックスへ向け、会場での応援が限られ、難しい状況を強いられているが、バスケットLIVEを見ながら優勝へ向けて後押しするしかない。
[レギュラーシーズン残り試合]
■5月7日(金)
19:05 新潟vsA東京@アオーレ長岡
■5月8日(土)
14:05 秋田vs千葉@ナイスアリーナ
13:05 琉球vs京都@沖縄アリーナ
15:05 三河vs大阪@ウィングアリーナ刈谷
13:35 広島vs信州@広島サンプラザホール
■5月9日(日)
13:05 新潟vs島根@アオーレ長岡
13:05 琉球vs京都@沖縄アリーナ
15:05 三河vs大阪@ウィングアリーナ刈谷
13:35 広島vs信州@広島サンプラザホール
■5月10日(月)
18:05 千葉vsSR渋谷@船橋アリーナ
19:05 新潟vs島根@アオーレ長岡
文 泉誠一
写真 B.LEAGUE