当たり前の話だが、日本人選手が活躍したチームが勝った試合は18試合と多い。しかし、昨シーズンの開幕節と比較すると外国籍選手に依存するBリーグの傾向が浮き彫りになる。日本人選手が二桁を獲って活躍しても、勝つことができなかった試合が昨年は6つもあった。
そもそもシュートを打つ機会から大きな開きがある。昨シーズン、外国籍選手と帰化選手の1試合平均試投数は11.7本だったが、日本人選手で二桁を越えた選手はたった7人しかいない。しかし、この開幕節では10本以上積極的にシュートを放った日本人選手は30人もいた。滋賀レイクスターズ、富山グラウジーズ、信州ブレイブウォリアーズはまだ外国籍選手が1人しかおらず、他にもコンディションが整っていないチームもある。日本人選手が得点面でも活躍することで、Bリーグの価値が自ずと高まっていくはずだ。
シュートを打つことは、勝敗を分ける責任を伴う。しかし、真剣勝負の中で打っていかなければ、決まるものも決まらない。負けても次があるリーグ戦だからこそミスを恐れず、積極的に試すことが求められる。打って入らなければ、その確率を上げるための努力をすれば良い。そもそもシュートを打つ機会が少ない選手を集めた日本代表では、Bリーグよりもレベルや強度、身長が高い相手に決めることは難しくなる一方だ。
コロナ禍が幸いし、開幕戦で見られた日本人選手たちの積極性を継続し、精度を高めていくことができれば、チーム力は上がる。体格の良い外国籍選手をスクリーナーとして使い、シュートを打つ機会を増やすことはいくらでもできる。あとは決めるだけ。確率が低い現状も、コンスタントに打っていないからだ。どんな場面でも打って当たり前のメンタリティーが必要であり、それを持った選手の集まりが日本代表であって欲しい。オリンピックに向けてリーグ戦から強化していくためにも、ゴールを狙え!
文 泉誠一
写真 B.LEAGUE