千葉より先に日本代表でお披露目された期待のルーキー
新年ということで人気が高い富樫勇樹に、2020年の抱負などを伺おうと思って足を運んだ千葉ジェッツvsアルバルク東京のニューイヤーゲーム。人気の富樫には多くのメディアが囲んでいたのもあるが、それ以上にコー・フリッピンが調子を上げていたことに目を奪われる。千葉が新卒ルーキーを獲得したのは原修太以来、4年ぶりのことだ。
アメリカ人の父と日本人の母を持つフリッピンは、日本国籍を有する。千葉よりも先に、日本代表として台湾で開催された昨夏のウィリアム・ジョーンズカップに出場し、アメリカ育ちらしいアグレッシブなオフェンスとその身体能力の高さを披露する。平均1.25本のスティールはチームトップであり、ディフェンスから積極的だった。
NCAAディビジョン1のカリフォルニア大学リバーサイド校で3シーズンプレー。平均3点程度のスタッツながら、平均13分のプレータイムを与えられていた。NCAAよりも規模が小さいNAIA(National Association of Intercollegiate Athletics)のドエイン大学へ転校した最終年は、スタメンで30分以上出場し、平均13.8点とスティールも2.6本と活躍。しかしNCAAとはレベルの差があり、日本のプロでどこまで通用するかは未知数である。
シーズン前に行われたアーリーカップでの宇都宮ブレックス戦で20分出場し、13点を挙げて上々のスタートを切った。しかし、レギュラーシーズンに入るとプレータイムは約束されておらず、最初の2ヶ月間での16試合中7試合は出場機会がなかった。ようやくコンスタントに起用されはじめたのは、12月に入ってからである。
ポジションはポイントガードとシューティングガードの両方ができるコンボガード。千葉には不動の司令塔である富樫がおり、シューティングガードには田口成浩や原修太がいる。ポイントガードとしてチームのシステムを覚えなければならず、シューティングガードとしては結果も求められる。フリッピンが信頼を勝ち取るためにも、時間が必要だった。
「自分で行くときは行くし、止めるときは止めるというペースをコントロールする部分」を富樫から学び、コート内外で鼓舞する田口成浩や藤永佳昭からは「モチベーションを上げてもらっています。自分もリーダーシップを執ることでチームを上げて行くことができています」というフリッピンの成長が、チームが上向く相乗効果をもたらせている。