観戦中はお静かに!
プレシーズンゲームがはじまり、今年もバスケシーズンが迎えられそうで、まずはホッとしている。9月6日、栃木県足利市で開催された宇都宮ブレックスvs名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦は、立見席が出るほど盛況だった。しかし、これまでとは違った光景が待っていた。
入場時には一人ひとりを検温し、37.5度以上の発熱がある場合は入場できない。もちろんマスク着用は必須である。ソーシャルディスタンスを確保すべく、2階固定席は2席ずつ間隔を空け、1階のコートレベルも密集を避けるレイアウトで対応する。いつもはヒザが触れ合うメディア向け撮影エリアも、間隔を空けて座るように配慮されていた。
声を出しての応援を控えねばならないというルールが、大きな変化である。宇都宮のホームでは見慣れた応援ボードを胸元から前に突き出す「GO BREX」という声援スタイルが、無声映画を観ているような感じだった。動きは変わらないが、いつもは会場にこだまする「GO BREX」コールを出すことができない。グッドプレーには拍手で讃えるのが、ニューノーマルな応援スタイルとなる。今後は「YEAH!」や「GOOD!」など、オモチャにあるようなボタンひとつで歓声が上がるスピーカー内蔵小型サウンドエフェクトが用意されてもおもしろいだろう。
選手入場時はエア・グータッチ
コート内にも変化が見られた。スタッフはマスクやマウスシールドを着用して、選手たちをサポートする。梶山信吾ヘッドコーチは終始マスクをしたまま、指揮を執っていた。マスク越しではやはり声が伝わりにくいようで、少しずらしたりする場面もあった。読心術で相手に指示を読み取られる心配がないのは、好都合かもしれない。入場時、これまではハイタッチしていた選手たちが、エア・グータッチに切り替えていたのも新鮮だった。試合が進むにつれて気持ちが高ぶっていったこともあり、最後はハイタッチするいつもの光景に戻っていたが、新しいスタイルを探している最中だ。
Bリーグは9月4日、新型コロナウイルス感染症に関する第一回統一検査の結果を発表し、スタッフ、レフェリーも含めて全員が陰性だった。コート内の安全は担保されたが、ファンやメディアは発熱しない無症状の場合もある。近くで観戦できるバスケゆえに、ボールが観客席などに出てしまえば第三者が触れてしまう。その度にボールの交換や消毒をするなどして対応するかと思われたが、そこは従来通りだった。実際、カメラエリアにいる筆者のところにもボールや選手が飛んできた。選手たちにリスクを与えないためにも、会場内に設置されているアルコール消毒液でこまめな手指の殺菌は心がけたい。