── 実際、宇都選手のパスは多彩です。あのパスはどこから生まれたものですか?
宇都 僕、ジェイソン・ウィリアムス(NBAのサクラメント・キングスなどでプレーしていたポイントガード)が好きだったんです。彼のプレーを見ていて、パスフェイクの使い方とか、パスの種類は覚えましたね。でもここに出すっていうところをNBA選手から学ぶことはないので、それはセンスですかね(笑)。
── どう返していいか、わからない(笑)。
前田 僕もわからないっすね(笑)。
宇都 自分でも「いつ見たかなぁ」というパスをすることがあるんです。だから逆にとんでもないミスをすることもありますけどね。僕のイメージではここにいるはずなのにいなかったりすると、相手にパスをしてしまう(笑)。
── 最後に聞かせてください。プロ選手となった今、お二人はどんな理想像を掲げていますか?
宇都 個人的には日本で一番のポイントガードになりたいなって思いはあります。ただそれがいったい何なのか。技術面だけなのか、果たしてチームを何度も優勝させるポイントガードが一番なのか。そこはまだ自分のなかでまとまっていないんですけど、漠然と、今は試行錯誤しながら、日本で一番のポイントガードにはなりたいですね。世界で戦ってみて感じたんですけど、世界で勝ちに行くために日本はチームで戦わなければいけないという前提があるので、世界で一番とは豪語できないけど、日本で一番の選手にはなりたいなと思っています。
── 世界を見たとき、日本のポイントガードはサイズの不利を指摘されます。宇都選手は191センチ。その不利を払しょくすべく、世界で戦いたいという気持ちもありますか?
宇都 ありますね。ありますし、今は富樫(勇樹・千葉ジェッツふなばし)や篠山(竜青・川崎ブレイブサンダース)さんが選ばれていますけど、僕は彼らに負けてないと思っています。もちろん経験は彼らのほうが豊富だし、いろんな面でヘッドコーチに合う……たとえばミスが少ないのは篠山さんだし、3ポイントシュートを積極的に打てるのは富樫です。彼らにはそうした武器があるので、僕自身もそういうところも補えるようにしたい。ミスをなくして、ドライブができて、パスもできて、リバウンドも取れて、3ポイントシュートも打てるようになれば完璧なポイントガードになれたら、どのヘッドコーチからも呼ばれると思うんです。そういうところは目指していきたいですね。今の僕の一番の課題は、安易なミスをしないことと、3ポイントシュートの精度を上げること。コンタクトが弱いって思われているけど、最近はトレーニングもしているし、そこは今、自信を持ってプレーできているところです。