── 今シーズンの滋賀はレンタル移籍で加わった齋藤拓実選手、シェーファーアヴィ選手の活躍も光ります。また、高橋耕陽選手の成長もあり、チームの安定力が確実に増した感がありますね。天皇杯のベスト4進出も自信になったのではないですか?
狩野 なりましたね。今シーズンはヘッドコーチがやりたかったバスケットをやっと表現できるようになったという手ごたえがあります。
佐藤 手ごたえ、ありますよね。僕は昨シーズンチームにものすごく迷惑(アジア大会における不祥事で1年間公式戦出場停止)をかけたんですが、その間、ヘッドコーチもチームメイトも僕を見捨てず練習に参加させてくれました。本当に感謝しているし、僕にとっての恩人だと思っています。だからこそ今シーズンはその恩に報いたい。ブースターの皆さんを含め、レイクスに関わる人たちにも頑張っている佐藤卓磨を見てもらいたい。そういう気持ちが少しでもチームの勝利につながればいいなと思っています。
── 最後に今シーズンのこれまでの試合で、1番印象に残っている試合を教えてください。
佐藤 僕は12月15日のサンロッカーズ渋谷戦ですね。1戦目は敗れたんですけど、2戦目は92-79で快勝しました。渋谷は今シーズンすごく勢いがあって、ディフェンスもハードなチームですが、そこに連敗しなかったことにうちのチームとしての成長を感じました。また個人的にもアグレッシブに攻めることで、少しは勝利に貢献できたかなと思っています。
狩野 自分は3ポイントを10本決めた富山戦と言いたいところですが、1番印象に残っているのは2月15日のレバンガ北海道戦です。5秒を残して自分の3ポイントで逆転した(77-76)試合ですね。小学生のときに1回だけ(自分の)ブザービーターで勝ったことがあるんですが、やっぱり自分の3ポイントが決勝点になるのは気持ちがいいし、シューターとしての達成感のようなものも味わいました。
── また味わいたい気持ちですね。
狩野 はい。そのためにもシューターとしてもう1つ上を目指していかねばと思っています。
佐藤 1つ上を目指していかねばという気持ちは僕も同じです。僕はコートに入ったら相手の歳とか関係なくアツくなっちゃうタイプなんですね。それは自分の短所であり同時に長所でもあると思っています。だから、「同じポジションの人には絶対負けない」という思いをどう表現していくか。どうすれば『長所』と言い切れるものにしていけるかがこれからの課題。頑張ります!
滋賀レイクスターズ 狩野祐介 × 佐藤卓磨
自らを磨きながら、また一歩先へ
part1「『3番は自分の利点を生かせるポジションだと思う』(佐藤)」
part2「『シューターとして自分に足りないのは、いい意味でのセルフィッシュさ』(狩野)」
part3「『日本代表の中でも自分が貢献できるプレーは絶対あるはず』(佐藤)」
文 松原貴実
写真 安井麻実