── 向いている点というのは?
佐藤 ウイングでプレーしたら、やっぱりサイズがあることがアドバンテージになります。スピードでもまあ負けてないし、自分の利点を生かせると思うんですね。実際4番となると、自分よりパワーがある選手も多いですし、年下でも資質的に敵わないなあと感じる選手もいる。例を挙げれば八村阿蓮くん(東海大3年)みたいなタイプですね。このまま4番だったら将来的に需要がなくなるんじゃないかという思いもありました。さっき言った利点を生かせる3番の方が選手として自分の価値を示せる気がします。
狩野 確かにそれは言えるよね。卓磨みたいに196cmあって…
佐藤 あっ正確には196.3cmです。登録は197cmですから。
狩野 まあ多少サバ読んでるものの(笑)、197cmあって、そのサイズで3番をやれるのはすごいことだと思うんですよ。あんだけ走って、あんだけ跳んで、切り込んで、外からも打てますから。さらに言えば卓磨はリバウンドの貢献度が高い。去年、卓磨がいなかったレイクスはリバウンドが取れなくて苦しみました。なんせリバウンドではリーグ最下位でしたからね。でも、今シーズンはリバウンドの数字が一気に上がった(3月27日時点のチーム別リバウンドランキングはリーグトップの平均41.0本)。もちろんリバウンドを頑張ってくれる外国籍選手が入ってきたのもありますが、自分はそこに卓磨が帰ってきたことが大きいと思っています。
── リバウンドが強化されたことで狩野さんたちシューターがより生きるようになった印象があります。
狩野 そのとおりです。今シーズンのうちが格上とされているチームともいい戦いができているのはリバウンドが強化されたおかげですね。気持ち的にも去年とは大きく違ってきたように感じます。楽しいですね。
佐藤 自分も同じく。今年のチームはプレーしていてものすごく楽しいです。
part2「『シューターとして自分に足りないのは、いい意味でのセルフィッシュさ』(狩野)」へ続く
文 松原貴実
写真 安井麻実