ガード陣の活躍で東地区首位をキープ
千葉戦では、7本の3Pシュートを沈めた遠藤祐亮がゲームハイの26点を挙げた。約1ヶ月前、シーホース三河戦の初戦では鵤が、2戦目は渡邉裕規とテーブス海がそれぞれ二桁得点をマークしており、ガード陣の活躍が東地区首位に立つ宇都宮を支えている。この状況について、鵤とともに先発を担う遠藤も手応えを感じていた。
「今は誰が出てもディフェンスの強度は変わらなくなってきました。誰にボールを預けてもターンオーバーが少なくなってきているし、一人ひとりのステップアップはシーズン序盤よりもどんどん良くなってきています。それによってチームが良い方向に向かっており、個人個人も自信を持ってプレーできているな、とすごく感じます」
試合後、鵤への取材を希望したがこの日は叶わなかった。リーグ再開初戦となった船橋アリーナには、70人を超えるメディアが会場に押し寄せていた。新型コロナウィルスへのリスクを最小限にするため、リクエストの多い各チーム2人が記者会見で対応する制限がかかったのも致し方ない。鵤はその選から漏れて直接話を聞く機会を得られなかったが、それでも好調な宇都宮を支える一人として紹介したかった。
ホームゲームでの選手入場時、多くのチームは背番号順に名前を呼ばれるが、宇都宮はエースやキープレーヤーが最後に登場する。直近では鵤がその最後を飾っているのが期待の現れであり、今後の日本代表に入って欲しい楽しみな選手だ。
得点力あるポイントガードが多い26歳たち
鵤や富樫の同級生には、U18日本代表でともに戦ったベンドラメ礼生(サンロッカーズ渋谷)と田渡凌(横浜ビー・コルセアーズ)を筆頭に、小島元基(アルバルク東京)や笠井康平(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)とBリーグで活躍する有望なポイントガードが多い。「中学生のときから何度も対戦してきて、今はプロとして一緒にプレーできているのはすごくうれしいこと」という富樫と同じく、2シーズン前にB2の広島ドラゴンフライズから宇都宮へ移籍したとき、鵤も同級生たちと最高の舞台での戦いを楽しみにしていた。
得点力あるガードが多いのもこの世代の特徴と言える。まだまだプレータイムが少ない笠井だが、尽誠学園高校3年時のウインターカップでは渡邊雄太(メンフィス・グリズリーズ)の29点よりも多い37点を挙げ、インターハイ2位だった鵤を擁する福岡第一高校を破っている。世界を見渡せばポイントガードがポイントゲッターであり、世界基準のプレーでBリーグを牽引していくこの世代が頼もしく、楽しみでもある。
文・写真 泉誠一