昨シーズンと比較し、「ピック&ロールの部分はすごく個人的にも成長している実感があります。いろんなレパートリーや引き出しが増えました」という久岡は現在平均8.7点、4.1アシストとスタッツを伸ばしている。しかし結果が伴わない現状に対し、「シーズン当初は自分のスタッツは良いのにチームは勝てない。どうしたら良いか悩んでいるうちに、自分の調子も悪くなってしまいました」と負のスパイラルに陥る時期もあった。
「最後に勝ち切るためにも、ポイントガードの僕が決めるべきシュートを決める。そういう決定力が本当に足りていないです。逆に、相手の主力選手に一番良い形でシュートを決められて負けてしまっています。僕や増子(匠)さんら主力となる日本人選手の決定力や、大事なところでのパフォーマンスの差は痛感しています。悔しいけど、僕の場合はまだ経験が足りていない。試合後にビデオで見返すと、答えは分かっているのに、その答えとは違うプレーをしてしまっています。焦りや自分がやらなければいけないという気持ちが強すぎてしまい、それが最近のシュートの確率の悪さにもつながっています。そこは謙虚に受け止め、経験がない分、練習でその差を埋めていくしかないです」
経験の差は否めないが、「今、経験を積んでこれからにつなげて行けば良いという考えは持ちたくなかったので、今シーズン中に結果を出すことを目標として決めていました」と自らの力でチームに勝利を引き寄せたい気持ちは強い。個人スタッツは「全然気にしていませんし、勝負どころで誰が決めるかということにもフォーカスしていません。そこは大人になったかな」という久岡は、ディフェンスから身体を張ることを最優先に考えていた。
「ディフェンスでは、みんなでルールを徹底しようという思いが強く、個ではなくチームで守る意識も本当に強いです。上位のチームが相手でも失点を少なく抑えることができており、そこは自信になっています。オフェンスでも自分のスキルが上がっていますし、相手ポイントガードに負けていないと感じています」
平均29分の出場時間を与えられ、着実に成長しながら充実したシーズンは送れている。あとは結果だけだ。