仁平と同じく、ポジションアップに挑む195cmの村越圭佑とともに切磋琢磨しているが、「4番(パワーフォワード)の日本人選手は、外国籍選手の代わりに少しプレーすればOKなんです」と東頭ヘッドコーチはこのリーグの現状を指摘する。ポジションアップした彼らに対し、「シュートを打ったとか入れたではなく、もっと高いレベルを求めているし、チームとしてやるべきプレーをしなければならない」と成長を期待しているからこそ、要求は必然的に高くもなる。
滋賀レイクスターズから移籍してきた192cmの紺野ニズベット翔を含めた190cm台の日本人3人は、「お互いに負けたくない気持ちが強い」と刺激し合い、切磋琢磨している。村越と一緒にコートに立つ時間帯も多く、「僕らでサイズアップし、どれだけ外国籍選手を休ませられるかにかかっています。やっぱりフルで出ていると最後の方はスタミナが切れて、動きの切れが悪くなります。その中で僕らがどこまで彼らを休ませられるかによって、終盤の質も上がってくると思っています」と役割が増えた仁平は全力を注ぐ。
現在の課題点としてディフェンスを挙げた。インサイドからアウトサイドに変わったことで、ディフェンスの仕方が大きく変わる。「3番になると速い動きを止めなければならないですし、ディフェンスはまだまだ覚えることがいっぱいあります。でも、少しずつ知識も増えてきているので、徐々に対応できるようになっています」と攻守に渡って手応えを感じるとともに、自信も芽生えてきた。
失敗もするけどそこでめげずにどんどん挑戦していきたい
群馬の頃は静かなイメージだったと仁平自身も認める。しかし今は、ウォームアップ中から率先して大きな声を出していた。
「奈良に移籍してから少し声を出すようになり、東京Zではかなり出すようになりました。ムードメーカーという役割は自覚しています。アップ中から率先して声を出すようにして、雰囲気を良くすることを心がけています。それが周りの選手たちにも伝わり、木村(嗣人)選手なども一緒になって出してくれていますし、チーム全員でその意識が高くなってきています」
まだまだ未完全だが、シューターの自覚を持つ仁平は、「一つひとつ経験をして、失敗もするけどそこでめげずにどんどん挑戦していきたいです」と突き進む。仁平や村越だけではなく、東京Zは全員が成長過程にあり、選手を信じて東頭ヘッドコーチも高いレベルを求めている。現在9勝30敗は中地区最下位。この困難をものともせずに徹底していけば、きっと明るい変化が待っている。ホームで2勝しか挙げられておらず、ファンをやきもきさせている状況だ。来週2月15日(土)の仙台89ERS戦からホーム6連戦が待っている。ファンを笑顔にするために、自分たちの殻を破るためにも勝利を掴めっ!
文・写真 泉誠一