一発勝負のトーナメント戦で日本一を決める天皇杯は、サンロッカーズ渋谷が優勝した。特別指定選手の盛實海翔(専修大学4年)は12分40秒出場し、2点/2リバウンド/3アシストを記録し、勝利に貢献する。負けられないディフェンシブな戦いに身を投じた盛實は一気に経験値を上乗せし、これからがますます楽しみだ。
大阪エヴェッサの中村浩陸(大東文化大学4年)も20分以上のプレータイムを得て、活躍している。昨シーズンのNCAAアシストランキング2位のテーブス海が宇都宮ブレックスに入団するなど、この時期は特別指定選手たちの話題も多い。今シーズンのB1において、18チーム中14チームが特別指定選手を迎え入れている(※1月14日現在)。
「少しずつプレータイムを与えながら、育成させていきたい」佐藤賢次ヘッドコーチ
川崎ブレイブサンダースの特別指定選手である増田啓介(筑波大学4年)は、天皇杯決勝での出場機会はなかった。盛實と同じく、2年連続同じチームでのプレーを選んだ。「昨シーズンも一緒にやってきた分、チームに入りやすいところもあったと思います」という佐藤賢次ヘッドコーチは、チームに合流してまもない年末年始のBリーグで、すぐさま起用する。
「彼の持っている飲み込みの早さや判断力などバスケIQの高さは、コーチとして評価しています。2年目ということ以上に、練習でのパフォーマンスを見て使ってみようと判断しました」(佐藤ヘッドコーチ)
シーズン途中に迎える特別指定選手の育成については、「もちろんチームとして勝つことが大前提にあります。その中でも少しずつプレータイムを与えながら、育成させていきたいです」と佐藤ヘッドコーチは考えている。以前取材した北卓也GMも、「若い選手の勢いやフレッシュさがチームには必要だと僕は思っています」と話しており、川崎は育成しながらフランチャイズプレーヤーを創出するスタイルである。
「プロのレベルでも、大学時代と同じような形で彼の持ち味を生かしてもらいたい」ルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチ
「シーズン当初はケガ人が多く、動ける選手が6〜8人と厳しい中でスタートしました。そのときに補強選手を獲得できなかったため、若手を獲得することに方針を変えました」というルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチ率いるアルバルク東京は、新たに4人を迎えた。新卒ルーキーの平岩玄(東海大学4年)、特別指定選手として笹倉怜寿(東海大学4年)と小酒部泰暉(神奈川大学3年)、すでに福岡大学附属大濠高校卒業後にプロの道に進んでいた津山尚大も23歳と若い。