チームに自信を与えるポジティブなプレー
タプスコットは23点、10リバウンドのダブルダブル、アシストも7本決めて5連勝を飾った。
「7本のアシストは、チームメイトが決めてくれたからこそ挙げられた数字です。また、その7本のアシストのおかげで、相手のディフェンスがチームメイトに引っ張られてスペースができたことで23点という結果につながりました。自分のスタッツはチームメイトのおかげです」
2年前と変わらぬチームの輪を重んじるリーダーであり、ムードメーカーでもあるタプスコットらしいコメントだ。常にチームの勝利を考え、「ディフェンスから集中して入り、そこから次のオフェンスに向かうときにはポジティブなプレーを意識しています。それによってまわりをリラックスさせ、緊張せずに良いプレーを引き出したいと思っています」とタフな状況でも笑顔で乗り越えてきた。
俊野兄弟とともに2シーズンぶりに愛媛へ復帰した今、「同じメンバーだからこそ、勝っても負けてもアップダウンなく戦うことができています。お互いに信頼し合えていることがもちろん大きいです」とチームプレーが成熟しはじめてもいる。昨シーズンは熊本で「プレーオフに出場し、切迫したシチュエーションのときでも落ち着いて、自信を持ってプレーすることは意識してプレーできるようになり、それをみんなに伝えています」とその経験をチームに還元し、レベルアップにつなげていた。
そんな熊本が勝ち上がっていった状況と今の愛媛を比較してもらえば、「昨シーズンの熊本は全員がMAXの状態であり、タレントが揃っていました。でも、今の愛媛は成長段階にあり、ポテンシャルを秘めているチームです」と悲願のプレーオフ進出へ向け、まだまだ成長しなければならない。それはグレスマンヘッドコーチも同じ見解だった。
「オフェンスもディフェンスも、継続性を持ってプレーすることが必要になります。長いシーズン、どの試合も同じように戦い続けられるチームがプレーオフに行けます」とタプスコットは感じている。愛媛を初のプレーオフへ導くため、今後も献身的なプレーを続けるだけだ。
文・写真 泉誠一