ボールをシェアし、チームプレーで5連勝
アースフレンズ東京Zとのアウェーゲームを制し、5連勝と波に乗る愛媛オレンジバイキングス。リチャード・グレスマンヘッドコーチ体制となってから3シーズン目を迎え、就任当初のメンバーが戻ってきたことも好調の要因だ。
昨シーズン、俊野達彦は秋田ノーザンハピネッツでB1を経験し(※シーズン途中で仙台89ERSへ期限付移籍)、チェハーレス・タプスコットは熊本ヴォルターズでチームハイの平均23.4点を挙げ、B2プレーオフへ導く立役者となった。同じく昨シーズンは熊本で活躍し、今シーズンは西宮ストークスでプレーしていた俊野佳彦も、11月22日から愛媛に復帰。「3人が戻って来たことはもちろんうれしいです」とグレスマンヘッドコーチが期待する通りの活躍を見せ、12勝11敗と勝率も5割を越えた。
昨シーズンは20勝40敗で西地区5位、彼ら3人が在籍していた2017-18シーズンは33勝27敗と、勝ち越していたときのチーム状況を取り戻しつつある。しかしそのシーズンは西地区4位であり、当時はもちろんだが、8チームに増えた今シーズンのレギュレーションに当てはめてもプレーオフには進めていない。
他チームへ移籍して経験値を上げた選手たちとともに、「笠原(太志)選手や楯(昌宗)選手、高畠(佳介)選手が今シーズンも残ってくれたことが大きく、2年前に一緒にプレーしていた彼らとともに、この6人が軸となって私が目指すシステムを理解してくれています」とグレスマンヘッドコーチが継続してきたことが実を結びはじめている。また、伊集貴也や帰化枠のプイ・エリマンら新戦力が噛み合ってきた今、追い風が吹いている。
東京Zとの初戦は65-55、2戦目は73-51とさらに失点を減らし、両試合とも50点台に抑えたディフェンスが勝因となった。オフェンスでは全員がボールをシェアしながら流れを作っていく。タプスコットも、B3のベルテックス静岡から移籍してきたばかりのブライアン・ヴォールケルも球離れが良い。「彼らがボールをシェアできるので、コートにいる5人全員でゲームをクリエイトすることができ、良いパスを出せています」というグレスマンヘッドコーチが目指すスタイルに2人の外国籍選手はフィットしている。
ヴォールケルは献身的にスクリーンをかけ、ディフェンスでもハードワークし、移籍後のデビュー戦にも関わらずチームプレーに徹したことも勝因であり、愛媛にとっては大きな収穫となった。