part3「日の丸の重さを知る自分が代表を率いるという運命(さだめ)」より続く
JOMOサンフラワーズのヘッドコーチを務めたのは2001年~2012年の11年間。大神雄子、吉田亜沙美、大﨑(旧姓間宮)佑圭、渡嘉敷来夢など日本を代表する選手を数多く育て、名実ともにリーグNo1の『常勝チーム』を築き上げた。退任した翌年には日本代表ヘッドコーチとして再び日の丸を背負いFIBAアジア選手権で43年ぶりの金メダルを手にすると、2015年の同大会の決勝で中国を撃破(85-50)して2連覇を達成。同時に3大会ぶりとなるリオデジャネイロオリンピックの出場を決めた。その輝かしい経歴を辿りながら内海が何度も口にした言葉は「感謝」だ。選手、スタッフ、関係者、家族、応援してくれた大勢のファン…「私は本当に周りの人に恵まれ、助けられてきたと思います」 ─── 記事のタイトルは故事成語のことわざ“実るほど頭を垂れる稲穂かな”から拝借した。バスケットに打ち込んできた内海の半生とその姿勢を見れば説明は無用だろう。
女子には女子の、男子には男子のおもしろさがある
── 内海さんは2016年のリオデジャネイロオリンピックにも女子代表ヘッドコーチとして出場されました。あらためてお聞きしますが、オリンピックという舞台はやはり特別なものですか?
もう、もう、もう、それは特別な舞台です。世界中から超一流のアスリートが集まる大会ですから特別なのはあたりまえなんですが、個々のスポーツの個々のパフォーマンスだけではなく、なんて言うんでしょう、オリンピックはやっぱり世界一を競うスポーツの“祭典”なんですよね。アテネの開会式に出たときの感動は忘れられません。リオの開会式にも出たかったんですが、バスケットボールは選手を除くとスタッフは3人までしか出られなかったんですよね。自分はあの感動を1度味わわせてもらっているので、今度は別のスタッフに絶対味わってもらうべきだと思いまして、トム(ホーバス現日本代表ヘッドコーチ)を含め3人のスタッフに出てもらいました。いや、本当はもう1度味わいたかったんですけどね(笑)