part2「そろそろオールスターに連続MVPが出てもいいんじゃないですか(笑)」より続く
『移籍』というのは新しい場所で新しいスタートを切るということ。だが、迎え入れた川崎の佐藤賢次ヘッドコーチは「なんでしょうね。大塚とはもうずっと一緒にやっているような気がするんですよ」と笑う。夏から続くハードワークの中で「私のことを理解し、川崎のバスケットに懸命に取り組む彼の姿勢がそう感じさせるのかもしれません」。川崎の“顔”の1人である辻直人とはまた違ったタイプのピュアシューターとして「彼はまだまだ成長すると思いますよ」の言葉から大塚に寄せる大きな期待が伝わってきた。
「ここからまた上へ上へです」
── 川崎は大塚さんにとって6番目のチームになります。オファーがあったときの心境、移籍を決意した経緯を教えてください。
オファーをいただいてから移籍を決心するまでいろんな感情がありました。富山のブースターさんの温かい応援にはいつも感謝していましたし、富山というチームに愛着があったのもたしかです。だけど、僕は昨シーズンの終盤から“来季、自分が求めるものは何か?”ということをずっと考えていたんですね。その中で強く心に残ったのはシーズン最後に出たチャンピオンシップです。なんて言うか、対戦するチームとの意識の差を感じました。優勝することに対する意識の差です。正直、僕らはチャンピオンシップに進出できたことで満足してしまっている部分がありましたが、他のチームは目標は優勝しかないという感じで、みんな本気で優勝を狙いに来ているんです。自分がもっと伸びていくためにはそこ(優勝)を目標にしてやっていかなきゃならないと思ったし、川崎から話をもらったとき、自分のキャリアとして今1番大事なのは何かということを考えました。話が来た、よし行こう! というのではなく、プロ選手としての自分のこれからをしっかり考えて出した答えです。
── 実際に練習に参加したときの感想は?
組織力の強さを感じました。それとやっぱりみんな頭がいい。プレーの選択肢も数多く持っているしバスケIQが高いなあというのが率直な感想です。