日本人選手の底上げが急務
Bリーグは外国籍選手を3人まで登録でき、そのうち2人までが毎試合ベンチ入りできる。また、多くのチームは彼らがファーストオプションとなり、得点を獲る役割を担っている。そのために、一人でも欠けると大きな戦力ダウンにつながってしまう。しかし、Bリーグは日本のリーグであり、日本人選手(帰化選手含)の方が多くコートに立てる。今夏のワールドカップでは決定力不足が浮き彫りになったが、日本人がファーストオプションになるチームが増えることで改善されるかもしれない。
ガーベロットヘッドコーチは日本人選手の印象について、「目的意識や集中力がすごく高い」と感じている。イタリア系イギリス人であり、ドイツ下部リーグでの指揮経験もあるが、多くはイギリスでコーチをしてきた。現在FIBAランキング41位のイギリスは日本より2つ下に位置し、ワールドカップにも出場していない。日本と同等ランクのイギリスから来たガーベロットヘッドコーチだからこそ、日本人の活躍に期待し、発破をかける。
「もちろん現状に満足しているわけではない。特に高橋(祐二)はまだまだ上達できる余地があり、彼がこのチームのゲームチェンジャーになると信じている。彼が持つポテンシャルにも、我々の期待値にもまだまだ達していない。もっともっと良くなる。この試合で良い働きをした鶴巻は、眞庭のバックアップになると確信できた。我々がやるべきことはまだまだ多い。リーダーシップを執れる選手やチームに自信を与える外国籍選手がケガをしているからこそ、今いる日本人選手の底上げが必要であり、彼らが戻って来たときの相乗効果につながる。これからさらに良くなっていけるよう、強化していきたい」
外国籍選手が離脱した時点で、早くもシーズンが終わったような空気になり兼ねない。しかし、選手とスタッフが膝を付け合わせて行ったチームミーティングでは、ケガ人がいることを言い訳にしようとする人は誰一人いなかった。それぞれができることを考え、チームの勝利に向かってもがいている。それでもベンチメンバーの盛り上がりを見れば、一丸となって戦えていることがうかがえる。
戦力が揃ったときから一気に上向けば、まだまだ巻き返せる時期でもある。B2プレーオフへの出場枠が昨シーズンまでの上位4チームから8チームに広がったことは、茨城にとってプラスに働きそうだ。
文・写真 泉誠一