part2「順風満帆に見えたとしても壁のない選手はいない」より続く
小さな積み重ねがなければビッグステップは踏めない
── 沖縄から日本を縦断して北海道にやってきた橋本さんですが、こちらの暮らしには慣れてきましたか?
橋本 慣れました! まずレバンガのブースターさんが温かく迎えてくれたのがすごく嬉しかったです。寒いのは得意ではないのですが、冬でも室内は暖かいと聞いているので全然心配していません。なにより空気がおいしいのがいいですね。うちのはなちゃん(橋本選手の愛犬)も散歩のときに喜んでいます。
多嶋 はなちゃんはすでにこちらでは超有名になっています。
橋本 そうそう、なぜか北海道のメディアにいっぱい取り上げてもらって、テレビにも出て、雑誌にも載って、もしかすると僕より有名になってる(笑)。本人はそのことに全然気がついていませんけど。
── 橋本さんはこれまでレバンガを外から見ていたわけですが、実際入ってみて印象が変わったところはありますか?
橋本 印象が変わったというより、入って感じたのは、チームとしてもっとよくなりたい、強くなりたいというみんなの意志です。ただこれまでは負けが込んでいる状況の中で気持ちが空回りしていたというか、やり方がわからなくなっていたような気がするんですね。たとえばディフェンス1つにしても、みんな頑張ってはいるんだけど、どうやったら抑えられるか、どう頑張ればいいのかということが曖昧になっている。今はそれをしっかり整理している最中です。
多嶋 実際チームが変わりつつありますね。1日、1日の練習の強度…強度という簡単な言葉で片付けたくはないんですが、いわば『練習の質』は変わってきていると感じています。竜馬が言ったみたいにやるべきことをやれば戦えるということはみんなわかっているんですけど、それがなかなか前に進まず自分たちが目指すところにたどり着けなかったのが去年のレバンガ。だけど、今年に関してはそういうところが確実に改善されています。もちろんまだまだ合わせなくてはいけないところや突き詰めなくてはいけないところはいっぱいあるし、発展途上のチームであることに変わりはないんですけど、それでもこうやってチームを高めながら新シーズンを迎えられたことは嬉しい変化だと思っています。
橋本 前にも少し言いましたけど、チームっていうのはどういうきっかけであれ、いきなり大きく変わるものじゃないと思うんですね。みんなが毎日ちょっとずつでも自分たちには何が必要か理解していくことが大事。それがチームを変えていくことであり、そういう小さな積み重ねがなければビッグステップは踏めないと思っています。
── レバンガは今、その積み重ねをしている最中だということですね。
橋本 はい。だからこそ可能性を感じるんです。僕は三河と琉球でプレーして、いろんなことを学んだし、感じたこともありました。それを踏まえてこれからBリーグを目指す若い選手たちにぜひ聞いてほしいことがあるんですけど、いいですか?