part1「現役中にMBAを取得することに一番意味がある」より続く
求められることで力を発揮するタイプ
グロービス経営大学院への受験を控えている小林大祐は、引退後の未来に対して「夢はありますが、それはこれから進んでいくうちに形を変えて自分の目標になるかもしれないと思っています。現時点では、これという明確なことは決めていないです」と言う。
「僕には社会人としてのバックグラウンドがほぼありません。日立時代の4年間は、他の同世代と比較すれば半分程度しか仕事を任されていませんでした。僕がいなければ動かなかったプロジェクトなんてひとつもなかったと思うんです。誰でもできる仕事でした。社会人として、ビジネスマンとしてのバックグラウンドがない中で、グロービスに入ってどうなりたいのか、なぜ入りたいのかというところから模索しているところです。そこが一番重要です」
将来の自分と向き合うことが、受験時の面接対策にもなる。グロービス経営大学院へ来年4月入学を目指す小林は、9月の受験に備える日々であり、シーズン開幕前の合格を目指す。「一応、そのつもりで動いていますけど……間に合うかなぁ」とだんだん小声になっていった。MBAは社会人が仕事をしながら取るケースが多く、時間がないのは他のライバルたちと変わらないと考えることもできる。
「グロービスは社会人大学であり、ある程度の役職に就いた時間に余裕がある人が、会社にお金を出してもらって学ぶイメージがありました。でも今は、若い方がキャリアアップのために学びに来ており、それこそ時間がないのは同じです。何かしら自分に課題を持ちながら、プロバスケ選手としての生活の中で取り組んでいく。そこに一番意義があると思っています。今はバスケに集中して、引退後に勉強すれば良いのではないかという人もたくさんいます。でも、それは僕の中では意味がないことであり、誰でもできることです。もちろんそれも受かってから言うことですけどね(笑)」