「ヘッドコーチ時代に知らなかったのはお金の部分でした。新たな選手を獲得する場合は、予算に見合うかどうかを含めて会社側にお願いをしていました。全体でどれだけの予算があるかについてヘッドコーチ時代は知らなかったので、そこが大きく変わったところです」
GMとなり、予算を管理する立場になった今、「現場だといろんなことを対応するにも当たり前にあった…というのはおかしな話ですが、そういう環境にしていただいたことを実感しています。事業サイドに来てみて、『これもお金がかかっていたんだ』という驚きが正直言ってありました」と裏側を知りながら、刺激的な日々を送っている。
GMに就任し、分業制になったことで佐藤賢次ヘッドコーチと連携しながら、「より良くなっていくとは思います」。これまではシーズン中に試合を行いながら同時並行で行ってきたが、今後はチーム編成だけに専念できる。
目の前にある試合、そして優勝を目指す1シーズンに全力を尽くすのがヘッドコーチの仕事である。一方、「中長期を見据え、安定して勝利することができる常勝チームを作ることを求められています」というのがGMの仕事だ。事業サイドとチームの間に入って、スタッフや選手が働きやすい環境作りを目指していく。
(*)クラブアイデンティティ「BE BRAVE」
川崎ブレイブサンダースの選手をはじめ、コーチ、チームスタッフ、フロントスタッフを含むクラブと、応援してくださるファンの皆さま方とが一体となって “B.LEAGUEを制覇し川崎からバスケットボールの未来をつくる” という目標に向かって戦う姿勢を表す言葉です。
part2へ続く「子どもたちの憧れであり、地域に応援される選手育成」
文 泉誠一
写真 安井麻実