── 宇都選手自身はいかがですか?
僕はドライブのスピードを注目されがちですが、地味な目線や重心の移動などを使って、意外と駆け引きをしながらバスケットをしているんです。何で今そっちの手でシュートを打ったんだろう? とか、何でそのステップを使ったんだろう? というところまで見てくれたら、おもしろいかなと思います。すべての動きに意味があるので。
── 感覚的にプレーしているわけではないと。
もちろん状況によっては感覚的にシュートを打つこともあります。そういうときは僕でさえ、どう打っているのかわかりません(笑)。でも基本的にはすべてに意味を持たせようとしているし、そのうえで駆け引きをしているんです。
── それは中学生のころから?
そうですね。中学時代は今のようにスピードもジャンプ力もなかったので、相手との間合いで駆け引きをしていました。(本誌15号で)比江島さんが「スピードがないからステップを踏んで打開するしかなかった」と言っていますが、これは僕も一緒です。中学生のころは間合いの駆け引きだけで1対1を繰り返し練習していましたから。
── 今のようなスピードを手にしたのは高校に入ってから?
はい。走り続けたおかげで自然と伸びてきました。ただその中でも常田健監督からはいつも「考えてバスケットをしろ」と言われていました。たとえば「ボールをもらう前に前を見ろ」とか細かいことを教わったので、身体能力だけに頼るのではなく、それらを基礎として、考えながらプレーしているんです。
── そんな宇都選手前後の世代が今のBリーグを引っ張っているように見えます。その意識はありますか?
確かに言われてみればそうかもしれませんね。でも僕自身は、僕がリーグを引っ張っていこうなんて、たいそうなことは思っていません。富樫(勇樹・千葉ジェッツふなばし)もいるし、他にも騒がれている選手はたくさんいるので。
── 宇都選手もリーグでトップクラスの騒がれぶりです。
注目され、こうしたインタビューが増えることは、本当にありがたいと思っています。イケメン賞、モテ男賞も素直に嬉しいです。それらに選ばれることで、自分なりに身だしなみを整えたり、ましな格好を選ぶようにはしています。でも特別に意識しているわけではないんですけどね。僕は僕のまま、ありのままでいればいいのかなと思っています。
── その飾らなさがファンを惹き付けるのかもしれませんね。ありがとうございました。
文 三上太
写真 安井麻実