※本記事はバスケットボールスピリッツのWEB化に伴う、2017年10月末発行vol.14からの転載
ヒューストン・ロケッツ、ダラス・マーベリックス、ミネソタ・ティンバーウルブズの3チームで5年間、NBAでプレーした経験を持つグレッグ・スミス。昨シーズンは、「すごくフィジカルが強かったよ。良い選手もたくさんいたし、NBAと同じようなレベルだった」というトルコリーグでプレーしていた。プロになって7年目の今シーズンは大阪エヴェッサにやってきた。
アルバルク東京との開幕戦、敗れはしたがスミスは19点を挙げている。新天地となるBリーグについて、「レベルは高いし、すごくタフなリーグ」という印象を持つ。「NBAを経験したからといってBリーグで戦うのは簡単ではない。自分がNBA経験者だからこそ、ハードにマークしてくるという感じもあった」と言うように、初戦で軽く痛めた翌日は出場できなかった。ホームの府民共済SUPERアリーナに4千人以上を集めたファン・ブースターから、「常にエナジーを与えてくれて、サポートしてくれる」という温かさに触れたことで、インタビューを行った時点では勝利に向けて早い復帰を目指していた。
あらためてどんなプレーヤーなのかを、スミス自身に語ってもらおう。
「一番自信があるのはフィジカルの部分。身体を張ったディフェンスやインサイドでのスコアを見て欲しい。オフェンスでは自分が起点となり、パスを出すことだってできる。チームにとって最善のプレーをいつも心がけている。もちろんダンクシュートのようなエキサイティングなプレーだって見せられるよ」
関西アーリーカップで初めて見たとき、『チームにとって最善のプレー』ができる選手だと感じていた。その日の西宮ストークス戦では率先してスクリーンをかけ、しっかりパスを出そうと周りを見ており、球離れが良い。ただ、当時はまだチームとして息が合っておらず、自らシュートを打つしかなかったことで、28点と得点が伸びただけである。
「お互いに気持ち良くプレーができるようにコミュニケーションを積極的に取るようにしている。練習中はどこを止めて、どこで攻めるかなど細かい部分を話し合って整合性を高めている。チームのみんなは家族であり、チームケミストリーを高められるように日々の生活から取り組んでいるよ」
家族のように仲の良い大阪において、その中でも「特にキノ(木下博之)とクマ(熊谷尚也)それにタクヤ(橋本拓哉)はすごくおもしろい。ネゴ(根来新之助)はブラザーみたいな感じ。リーダーシップもあるし、クールでカッコイイ」と笑った。スミスとともに今シーズンからやって来たデイビッド・ウェアはマクドナルドオールスターゲームに出場した経験の持ち主。「高校の時からクレイジーなほどすごかったよ」とスミスが言うほど全米にその名を轟かせたウェアもNBA経験者であり、注目である。