── そんな苦しい1年目を終えて、2シーズン目を迎える今年のチームはいかがですか?
優勝経験があるポイントガードの柏木(真介/シーホース三河より加入)さんや、4番ポジションができて、機動力もある大宮(宏正/琉球ゴールデンキングスより加入)さんが入ってきたことはすごく大きな意味があると思っています。名古屋Dに足りないのは経験値なので、2人が入ってきたことでそこを補えるんじゃないかと思っています。
── ヘッドコーチも替わって、バスケットも変わりましたか?
そうですね。僕よりも年下が5人もいるような若いチームで、今年はトランジションバスケットを重点的にやっていくと梶山(信吾)ヘッドコーチから話がありました。若さとエネルギーを前面に押し出して、とにかく走るバスケットですね。だから今は走る練習が多いです。もう毎日、プッシュ、プッシュ、プッシュの連続で、ハーフコートの練習はほとんどしていません。毎試合100点を取ることを目標に走っていて、僕自身は日本代表活動から合流して3日目なんですけど、結構キツイです。
── トランジションバスケットは青山学院大学時代がそうでしたか?
はい。僕自身は大学でもずっとトランジションバスケットをしていたので好きです。そのなかで自分のシュート力を生かしたいと考えています。
── ご自身の今シーズンはどうしたいと考えていますか?
昨シーズンはリバウンドの数が少なかったので(平均3.9本)、そこは練習から意識して飛び込んでいきたいと思っています。そして今年はもう少し落ち着いてプレイしたいですね。昨シーズンはどうしても自分にフォーカスしすぎて、視野が狭くなっていた気がするんです。視野が狭くなって、プレッシャーをかけられると焦ってしまうタイプなので、当然ミスも多くなりました。そうしたメンタルコントロールを含めて、もっと落ち着いて、周りが見られるようにしたいと思っています。チャンスは自分で作らなければいけません。これは日本代表活動を通じて学んだことですが、例えばしっかりとスクリーンをかければ、スクリーナーの自分がノーマークになることが多くなるんです。その経験を生かしてもう少し落ち着いてプレイしたいですね。あとは賢くプレイすることかな。
── 賢く?
はい。今まではどちらかといえば自分の身体能力を生かすプレイが多かったと思うんです。でもそれって限界がありますよね。世界を含めて、Bリーグでも自分より大きい選手が多いわけですから、そうした選手を引きつけてパスを出すとか、そこからもう一度パスを受けてシュートを狙うとか、賢いプレイを身につけたいですね。
── では今年は“落ちついた、賢いプレイの張本天傑”が見られると。
(大きな声で)そうなるでしょう!! (一転、小さな声で)そうなりたいです。
文・写真 三上太