── 打っても打っても入らないときは落ち込むものですか?
そりぁ気分はよくないですけど、すぐに次の試合が来ちゃうんで落ち込んでる暇はないですね。まあ若いときは入らないことを気にして打たないとか、次のプレーに影響することもあったかもしれないですが、この歳になるといろいろ経験もしてますから、いちいち落ち込むことはないです。シュートが入らなかったことよりそれにいつまでもこだわっている方がマイナスだとわかっていますから。
── 切り替えて次の試合に向かう?
向かいます。だいたい外すこととか落とすことを考えてたらシュートは打てません。むしろ2本打って1本決めれば評価されるんだから気楽なもんですよ。いくら連続で落とそうと勝負どころで決めればいいわけでトライしたもん勝ちだと思っています。打っていれば入るようになるという自信もあります。要は確率の問題で、僕は4割ぐらいを目指しているんですけど、たとえ1本も入らない試合があったとしてもしっかりしたシュートを打ち続けていけば4割に近づくのは自分でわかっています。だから入る入らないはあまり気にしません。それよりいかにいいシュートを打てるか、そっちの方を考えています。
── どんな場面でどんなシュートを打つか、打てたか…ということですか?
そうですね。確率で言えばノーマークだったら基本的に8割ぐらいは入るんですよ。だから極端な話ノーマークのときだけ打ってれば確率は上がるわけです。だからといってドフリーでしか打たなかったらシューターじゃないし、打つべきところで打たなかったら存在の意味がない。それがどんなタフショットであろうと打たなきゃならない場面はあります。そこで打ってこそ、もっと言えばそこで決めてこそシューターでしょう。
── それはシューターと呼ばれる選手たちに共通するものでしょうか?
そうでしょうね。金丸(晃輔/シーホース三河)にしても川村(卓也/横浜ビー・コルセアーズ)にしても辻(直人/川崎ブレイブサンダース)にしても、見ていて『打つべき場所、決めるべき場面』はわかっているなと思います。自分でもあの場面で打ちに行くなと思うし。同じシュートでも違う1本があるんですよ。
── 勝負どころの3Pシュートはインパクトも大きいです。
一気にゲームの流れを変える力がありますよね。だから試合を左右するとか、流れをひっくり返すとか、3Pシュートを打つべき場面は常に考えています。必ず「ここだ」と思うところがあるので。その場面、いわゆる勝負どころでは絶対強気で行きます。僕は単なるシューターにはなりたくない、勝負どころに強いということを自分のブランディングにしたいと思っています。
── 自分を『勝負強い男』だと思いますか?
そうありたいですね。本当に勝負強いかどうかは周りが評価してくれることなので自分では何とも言えませんが、少なくとも「この試合は岡田が決めた」という試合を増やしていきたいと思っています。自分のキャリアの中でそういう試合を積み上げていくことがやりがいでもあります。僕は1試合に30点、40点を取る選手ではないですが、ここ1本のシュートは決め切る。「ああ岡田がいてくれてよかった」と周りが思ってくれるような存在になることを目指しています。そのためにも「やってやる!」という気持ちは常に持ってますね。それがバスケットの1番の楽しいところだと思うし、なんといってもやっぱりおいしいところは食べに行きたいじゃないですか(笑)
文 松原貴実
写真 三上太、泉誠一