── 3Pシュート成功率を見ると、昨シーズン「114/306本(52試合)37.3%/平均14.6点」に対し、今シーズン「98/266本(47試合時点)36.8%/平均11.6点」と遜色ないスタッツを残しています。試合を重ねる毎に手応えを感じられているのでは?
スカウティングしながら相手の特徴が理解できはじめています。相手の特徴が分かった上で、しっかり考えながらプレーすることで大物食いも何度かできるようになってきました。通用するところはあると思いますし、少しずつですが自信もついてきています。でも、力の差はまだまだ離れているのかなというのは負けた試合にすごく感じさせられます。試合前までは「オラァー」となっているのですが、負けた時は「シュン」となり、「ハァー」とため息ばかりついています。
── メンタルの起伏が激しいシーズンですね?
プロになってからこんなに負けたことが無かったですし、負けが続くとやっぱりプレッシャーになります。秋田の方々に申し訳ないという気持ちが先に出てしまいます。
── 苦しい試合はまだ続きますが、「負けたくない」という反骨精神で戦い抜くしかないですね。
「次にどうしなければいけないか」と悩み、勝ちたい気持ちがあれば絶対に考えるはずです。今、この環境はすごく自分を成長させてくれていると思います。這い上がるチャンスであり、自分を強くするチャンスだと思って、「この辛い時期を絶対に乗り越えてやる」という思いを強く持って戦っています。
── シューターとしての理想像は?
自分はどんくさいですし、泥臭いプレーをする選手だと思っています。自分のシュートが決まるとチームが勢いづき、会場全体を盛り上げることができるようなシューターになりたいです。
── ホームでは、自分のシュートが入ると会場が盛り上がってチームを勢いづけられていると、少しずつ実感し始めています。これからもっともっと強いシューターになっていきたいです。
シューターは勝敗を左右するクラッチタイムを任され、決めればヒーローになれる。目立ちたがり屋という田口選手にとっては最高の仕事ですね。 勝負どころであったり、大事な場面で決めるというのが良いシューターだと自分は思っています。それでなくてもこのシーズン終盤に、チームを勢いづけるためには決めなければならない。1試合で3点しか獲れなかったとしても、チームにとっては4点、5点と大きな意味のある盛り上がるようなシューターになりたいです。あっ、でも欲張ってはいけないですね。
── いや、そもそも3Pシューターは通常よりも1点多く決めている時点で欲張りなんです!
文 泉誠一
写真 五十嵐洋志