── ファンにとっては2人の息の合ったプレーも楽しみなところですが、普段はどんな感じなのですか?
笹山 もう全然性格が違いますね。僕は長男で、タイトは末っ子ですが、初めて会ったときから末っ子オーラがバンバン出てました(笑)
中東 なんだよ、それ(笑)
笹山 良く言えばおおらか、悪く言えばおおざっぱ。なにか問題が起こったときもすぐに「大丈夫、大丈夫」と言う。あんまり大丈夫じゃないときでも「大丈夫」と言う(笑)
中東 あ、それはあるかも。で、大丈夫じゃないときはだいたいササがフォローしてくれて、結果、大丈夫になるみたいな(笑)
── 笹山選手は安定のお兄ちゃんタイプですね。
中東 僕はこんなお兄ちゃんイヤですけどね。
笹山 おい!(笑)。まあ、末っ子タイプのタイトには面倒かけられることもありますが、救われることも多いです。一緒にいると落ち込みませんから。タイトは落ち込んだとしてもすぐに切り替えて次に向かうというか、要はあまり深く考えてないってことですが(笑)そんなタイトを見ているとなんかホッとしますね。自分が落ち込んだときに「大丈夫だよ」と言って、何事もなかったように接してくれるのもありがたいです。
中東 僕はなんだかんだ言ってもササのことをすごく信頼しているし、今年は(張本)天傑さんや藤永(佳昭)が入ってきて、さらにチームの雰囲気が明るくなったし、今、このチームでやっていることがすごく楽しいです。
笹山 それは自分も同じ! 今年のチームはキャプテンの石崎さんを中心に何でも言い合えるチームなので、コミュニケーションもうまく取れていて、ほんとにいい雰囲気です。
── 若いチームでシーホース三河に2連勝したことも自信になったのでは?
中東 なりましたね。シーホース三河はベテランが多くて勝ち方を知っているチームだから、1戦目に敗れても2戦目は必ず立て直してくるというか、絶対連敗しないチームという印象がありました。そこに僅差で競り勝てたことはいろんな意味で大きかったと思います。
笹山 1戦目に勝ったあと、「今日の勝ちは忘れて、明日はゼロからまた頑張ろう」とみんなで話したんですが、途中悪い流れになったときも「まだ時間はある。最後に勝っていればいいんだ」という気持ちが全員にあって、それぞれが自分の役割を果たすことができたような気がします。
中東 ただ若さが勢いになっているときはいいですが、リズムが悪くなったときにターンオーバーが続いてその流れをなかなか断ち切れないという『若いチームの弱さ』がまだあります。悪い流れを断ち切る選手として自分はもっと力をつけていかなければなりません。
笹山 長いリーグの途中には必ず『経験の差』が出てくるときがあると思います。勢いだけでは埋められないものは間違いなくあるはずです。それをいかに乗り越えていくか、壁に当たったときチームがバラバラになるか、もう一回まとまることができるのかが1つの分岐点になると考えています。そういった意味では勝ちにこだわるというのは当然ありますが、自分としては戦い方の内容も求めていきたい。同時にファンの皆さんにもそこを見てほしいという気持ちがあります。
中東 リーグは長丁場ですから、チームの調子が落ちるときもあると思います。でも、僕たちは絶対に前を向いて頑張るので、ファンの皆さん、どうか変わらぬ応援をよろしくお願いします。今年の名古屋ダイヤモンドドルフィンズは絶対結果を出してみせます!
笹山 そうです。今年の名古屋ダイヤモンドドルフィンズはひと味違います。その姿をぜひ見に来てください。会場で待っています!
文 松原貴実
写真 バスケットボールスピリッツ編集部