── 大塚商会から巣立ったプロ選手もいますね。
西片 結構いますね。サンロッカーズ渋谷にいる長谷川智也と僕は同じ高校(新潟商業高校)で、大学は違いますけど同じ年に大塚商会に入社して、あいつはそこからアイシン(現シーホース三河)、渋谷とプロの道を選びました。栃木ブレックスにいるオッチー(落合知也)もそうです。みんな頑張ってるなあと思いますよ。プロというのはバスケットが仕事なわけですから、才能がないとダメだし、誰でもなれるわけじゃない。やっぱり限られた選手ですよね。その分うらやましい気持ちもあるし、あこがれもありますけど、じゃあ自分がプロになりたいかと言えばそれはないです。
横塚 僕も今の道に後悔はないですね。会社の人とは仕事でのつながりを通じた付き合いがあるし、それとは別にチームメイトとはバスケを通じたつながりと付き合いがある。学校があって部活があるっていう感覚と少し似ているかもしれません。会社はいろんな面でチームをバックアップしてくれていますし、おかげでいい環境でバスケをすることができています。会社の人が応援に来てくれるのも嬉しい。エライ人も応援に来てくれますし(笑)。ここ(大塚商会)に入ってよかったことは本当にいっぱいありますよ。これでお酒でも入ったら延々と語っちゃいます(笑)
西片 うちのチームはみんなよく喋る!試合会場の控室はめちゃくちゃうるさいですよ。みんなで飲みに行くとバスケの話はもちろん、仕事の話もします。1つの話題について語り合うんじゃなくて、あっちこっちでいろんな話をしてて、一貫性がなくて、それがまた楽しいんですよ。
横塚 僕らはプロの人と違って平日は一緒にいる時間がないので毎週試合がある土日ぐらいしかゆっくり話す機会がないんですね。だから、なんていうか、会えたときはみんなその分も喋ろうとするんです(笑)
── そんなアルファーズの武器となるのは?
横塚 ズバリ一体感ですね。仕事をやりながらバスケをやってる環境の中で自然に相手を思いやれるというか。そういう一体感がコートにもベンチにもあると思います。
西片 僕もそう思います。僕らの営業職ってお客様がどう感じているかとか、今、何を求められているかとか、そういうことを常に考えなくてはならない仕事じゃないですか。だから、相手のことを察することが自然に身に付くようになる。それがチームの中でも生きてるような気がします。それと僕がこのチームで1番好きなところは誰かのことを自分のことみたいに喜べるところ。たとえば(横塚)螢と僕が同じポジションでライバルだったとします。それで螢がめちゃ活躍したら自分はそのままレギュラーの座を取られちゃうんじゃないかと悩むと思うんですね。それはどこのチームにもあることだろうし、プロなら尚さらだと思います。けど、うちの場合ライバル関係であっても、ライバルの活躍を妬んだりするやつは誰もいない。下手したらライバルのやつが1番喜んでるかもしれない(笑)。プロとしたらダメなのかもしれないけど、ライバルだろうとなんだろうと仲間が活躍したら本当に嬉しいんですよ。プロだったら失格かもしれませんが、僕はそういううちのチームがすごく好きなんです。
横塚 目標はB3優勝です。その目標に向かって頑張っている姿を見てほしいなあと思います。
西片 B3の試合をもっとたくさんの人に注目してもらえれば嬉しいですね。ぜひ会場に足を運んでください。そして、大塚商会の応援をよろしくお願いします!
文 松原貴実
写真 吉田宗彦