※本記事はバスケットボールスピリッツのWEB化に伴う、2018年6月末発行vol.22からの転載
年間を通して活躍した選手、チームなどを表彰するB.LEAGUE AWARD SHOW2017-18でひときわ注目を集めたのが今リーグ最も輝いていたマスコットに贈られるマスコットオブザイヤーだ。ファンの投票で決まる賞だけに各クラブもSNSなどを通じて「ぜひうちのマスコットにあなたの1票を!」と、早くから熱い選挙活動?を繰り広げていた。その結果、今回栄えある1位に輝いたのは千葉ジェッツのジャンボくん。2位のルーク(アルバルク東京)に1000票以上の差をつける9640票を獲得して、初代チャンピオンに贈られる“王冠”を手にした。ジャンボくん、おめでとう!
それにしても5位から発表されるこの賞で、1つの名前が告げられるたびに場内が大きくざわめいたことに驚いた。「ええー!」「うそー!」「なんでー!」――まあ、なんていうか、叱られることを覚悟で言えば、単なるマスコットの受賞の行方がこれほどファンの心を揺るがせるとは思っていなかったのである。が、しかし、舞台に登場したジャンボくんの愛らしさとそれを見つめるファンの笑顔を見たとき、ハタと気づいた。マスコットというのはチームの家族であり、同時にブースターの家族でもあるのだなあと。つまり、多くのブースターにとって応援するチームのマスコットは『うちの子』なのだ。それはペットを家族だと思う飼い主の心境とも重なる。「あの子もこの子も可愛いけど、やっぱ1番はうちの子やでぇ!」という揺るぎないあの自信。だからこそ、可愛いうちの子がNo.1にならなかったことに「ええー!」の声が挙がるのではないか。いや、そうに違いない。
家にペットがいる人もいない人も会場に足を運べば出会える『うちの子』。さまざまなパフォーマンスで場内を盛り上げ、見る者を癒してくれる存在。さっき「単なるマスコット」なんて言っちゃったことを全力で訂正します! 来シーズンも全国の『うちの子』たちがそれぞれの会場でみんなを笑顔にしてくれますように。
文 松原貴実
写真 安井麻実