GAME1を1点差で落とした富山グラウジーズ。
第30節当初、残留プレーオフ出場決定が際どいところにあった富山グラウジーズ。(現在、富山は残留プレーオフへの出場が決定している。)
大勢のブースターの前で、地区王者のシーホース三河に勝利なるか。
この日も両者譲らぬ激しい展開が続く。
第一ピリオド、三河#16 松井が3P 5本を含む、計9本のシュートを全て沈め、このピリオドだけで14得点。富山も負けじと、#11宇都を起点に全員で得点を重ね、富山1点ビハインドで第二ピリオドへ。
第二ピリオドは、富山#13 クリント・チャップマンが大躍動。GAME1の会見では、「重要な場面でフリースローを落とし、それが勝敗に繋がった」と強く悔やんでいたが、このピリオドでもらったフリースロー4本を全て沈め、13得点。
富山リードで迎えた第3ピリオド、この日スタートで起用された三河#9 森川が気迫のこもったプレーを見せる。臆することなく果敢にドライブにいき、6本のフリースローを獲得。このフリースロー全てを沈め、第三ピリオドはシュート成功率100%の計10得点。
富山3点リードのまま、勝負は第四ピリオドへ。
富山は三河#14 金丸を止められず、このピリオドだけで15得点を許し、開始直後から王者を追う展開になったが、それでもチームの集中力が切れることはなかった。
追う展開が続き、1点差まで詰め寄った富山。残り37秒で#11 宇都が2 Pシュートを沈めて三河が1点ビハインド。その後も激しいディフェンスで三河を抑え、ラスト10秒というところで富山#13 クリント・チャップマンが豪快にダンクシュート。残りの10秒も見事に守りきり、地区王者三河から貴重な1勝をもぎ取った。
あとがき
この両日、撮っていて本当に、「順位って関係ないな」と心から思いました。
GAME1での戦いを見ていて、「こういう試合で勝ち切れるのは、さすが王者」と三河に対して思ったのは確かですが、そもそも王者になったのは1戦1戦の勝ちを積み重ねてきた結果であって、「王者だから勝った」のではないわけです。
1戦1戦に懸ける想いはどのチームも同じ。
この2日間で両チームの素晴らしい表情が捉えられたのは、両チーム共にこの1戦1戦に懸ける想いが強く出たからではないでしょうか。
今回は私なりに、ピリオド毎に印象深い選手について書いてみましたが、もちろん名前の登場した選手だけで試合が成り立つわけではありません。各ピリオドで名前を挙げている選手の他にも、コート内にいた選手、ベンチにいた選手、チームスタッフ、応援しているファンを全て併せて、【チーム一丸】になっていたのが目に見えるような2試合でした。
あらゆるところから強い想いが発せられたこの2日間は、忘れられません。
今日から始まる残留プレーオフ、明日から始まるチャンピオンシップと、彼らの瞳は更に力強さを増していくことでしょう。
全てのゲームが終わるその瞬間まで、瞬きするのが惜しい。
そんな想いで、私も最後まで彼らが魅せてくれる「想い」を切り取りたいと思います。
文・写真 安井麻実