Bリーグは今週末、B2から先に開幕する(※B3は先週末より開幕済み。今週末は天皇杯に出場)。今シーズンより昇格を果たした越谷アルファーズは、昨シーズンの西地区1位の熊本ヴォルターズを相手に初陣を迎える。前身は大塚商会アルファーズであり、これまでも企業チームとしての取り組みなどをスピリッツでも取り上げてきた。
昨シーズンより名称とともに、プロクラブとして形態を変えた越谷アルファーズはB3で2位の成績を収める。クラブライセンスもクリアし、八王子ビートレインズとの入替戦に挑む権利を手にした。第1クォーターから30-16と大きく引き離した越谷が、86-64で八王子を圧倒し、B2昇格を果たす。
新たなチャレンジに向かう今オフ、デトロイト・ピストンズのドゥエイン・ケーシーコーチが来日してクリニックを実施。その通訳を担当していたのが、越谷の青野和人ヘッドコーチだった。間近で見たケーシーコーチの指導に対して、どんな刺激を受けたかを直撃した。
「自分もヘッドコーチとして恐いのは、やっぱりピック&ロールでスイッチするところです。ビッグマンがポイントガードに対して守るのは良いですが、スモールが4番や5番のダイブに対してマッチアップするシナリオを一番恐れています。ドゥエインコーチはそれを『クラックダウン』と言っていましたが、クラックダウンする選手が日本の場合は極端に小さくなってしまうケースがあり、その場合にトラップにするか、または練習でもあったサンドイッチして守る状況判断が必要です。越谷でも昨シーズンから同じような手法を取り入れています。内容はシンプルですが、日本人のサイズに合わせたアレンジも考えていかなければならないとあらためて感じました」
── 越谷と同じような練習やシステムは他にもありましたか?
「昨シーズンの越谷は『3アウト2イン』で、インサイドが起点となっていました。しかし、ドゥエインコーチも教えていた『5アウト』や『4アウト1イン』のように、インサイドにスペースを空けてドライブで崩して行くことも少しずつ取り組みはじめており、かなり学ぶことが多かったです。特にシンプルなカールですが、白鴎大学女子チームがすごいスピードでカールをしていて、これならばスイッチされることがスカウティングで分かっていても、巻き込まれるようなエネルギーで打開できると思いました。戦術だけではなく、躍動感を出すことで逆サイドが空いたりすることも学ぶことができました」