ディフェンディングチャンピオンである長崎ヴェルカにとって、今シーズンは苦しい幕開けとなった。ホームでの島根スサノオマジック2連戦と、アウェーで臨んだ翌週の京都ハンナリーズ2連戦は全て黒星。その後のホーム3連戦は3連勝することができたものの、Bリーグ王者となって出場権を得た東アジアスーパーリーグの初戦は黒星を喫し、再びアウェーで臨んだ10月17日の東京サンロッカーズ戦は63-95という大敗だった。
苦戦している要因の一つは、開幕戦でアキル・ミッチェルが負傷してしまったことだ。今シーズンのB.PREMIERで唯一帰化・アジア特別枠選手を有していないということもあり、その後の3試合を外国籍選手2人で戦わざるを得なかったのは誤算だっただろう。

その後に3連勝を果たしたのは、ミッチェルの代役を緊急補強したことが影響を与えた。しかもそれは、かつて長崎でプレーしていたパブロ・アギラール。敗れたとはいえ、東京SR戦でもディーン・ヴィッカーマンヘッドコーチは「今日、最後に一番良かったのはパブロだったと思います。ディフェンスにおいてはいろんなカバレージに対応できるし、オフェンスではパスができて3ポイントも決めることができる。センターのポジションでいろんな機能があるのは、我々にとっては大きい」と高く評価。様々な役割をこなせるオールラウンド性が、合流して間もない中でチームの助けとなり、アギラール自身も果たすべき仕事を理解していた。
「最初の試合の前にコーチと話をしたのが、自分にできる範囲でこのチームのために何ができるかということでした。もともとセルフィッシュに自分のやりたいことをやるタイプではないし、ここに来たのも別に自分がシュートを打ちたい、スタッツを残したいわけではありません。貢献できる部分はやっぱりリバウンドとディフェンスだと自分でも思っていて、それをコーチにも伝えましたし、数年前にも在籍していたので、自分がどういう選手かということを理解してくれている人もいます。オフェンスでは自分が5番ポジションをやることでJB(ジャレル・ブラントリー)が4番でプレーでき、リーヴァイ(・ランドルフ)がウィングでプレーできる。他の選手が気持ち良くオフェンスに入れるようにということを常に意識してプレーしています」

ミッチェルが負傷したのが9月23日、長崎がアギラール獲得をリリースしたのが10月2日。その間わずか9日と慌ただしく、アギラールにとっても急な展開だっただろう。しかしながら、再び長崎の一員となるオファーが舞い込んだことを「本当に嬉しかった」とアギラールは振り返る。クラブの拠点は佐世保市から長崎市に移り、ホームアリーナも新しくなったが、当時の仲間はまだ数名残っている。その記憶を思い起こすには十分だ。
「かつて在籍していたときも素晴らしい時間を過ごしましたし、B1に昇格することもできたのは嬉しいことだったなと改めて思います。その頃に一緒だったスタッフや選手もまだ何人かいて、彼らに会えることも嬉しかったし、新しい施設で練習し、試合をすることも嬉しいです」











