今シーズンのWリーグは、新規参入のSMBC TOKYO SOLUAも含めると5チームが新指揮官を迎えて臨んでいた。その中で、三菱電機コアラーズは2018-19シーズンにチームをファイナルまで導いた古賀京子ヘッドコーチがGM職から現場復帰していたが、9月のユナイテッドカップ以降、厳密に言えば8月の練習から小野寺龍太郎アソシエイトHCが実際の陣頭指揮を執っている。
bjリーグ時代のバンビシャス奈良に始まり、これまで一貫して男子で采配を振るってきた小野寺AHCにとって、女子バスケットの世界は全てが初体験。おそらくは、これまでとのギャップを感じる部分もあるだろう。今シーズンから外国籍選手の日本在留年数が問われなくなったこともあり、「バスケットの構造的な違いというのはあまりないのかなと思います」ということだが、選手たちのメンタリティーに関しては男子と異なる印象を持っている。

「自分は今まで精神的、感情的な部分へのアプローチが優先順位としてはあまり高くなかったんですけど、Wリーグという新しい世界にチャレンジする中で優先順位がとても高くなってきました。バスケットそのものに対する理解はだんだん良くしていけると考えているんですが、それをコートで出せるか出せないかという点は選手個人の感情の部分に左右されてしまったり、チームとしてネガティブなことが起きたときにアップダウンしやすいと感じるので、一定のレベルに保つことが大事だと思ってそこへの過度なアプローチはしてこなかったんです。でも、今のチームにとってはそれがすごく大きな要素で、一定ではなく高いレベルで保つ努力を僕もしなければいけない。声のかけ方、ミーティングのやり方など、いろんな工夫が僕自身にも必要だなと感じています。単純にバスケットだけの話をして、戦術的にああしようこうしようと言うだけでは通用しない。逆にそれが新鮮で、自分自身も常にポジティブな状態でいるように心がけているんですけども、そうでない状況も生まれるのが今シーズンの現状です」
コーチングも十人十色で、戦略・戦術に特化したコーチもいれば、選手の内面に働きかけるメンターのような役割を重視するコーチもいる。チームを率いる指揮官にはどちらの資質も必要な中、戦術眼に長けた小野寺AHCはどちらかというと前者に寄ったタイプのコーチだが、Wリーグの世界に足を踏み入れると、そのバランスも変わってきたようだ。

「選手たちが非常に真面目にバスケットに取り組むチームであることは、すごくポジティブな要素。Bリーグでやっていた感覚からすると、すごく早くリーグ戦が進んでいく中で、成長速度を速めるためにも自分たちでコントロールできる部分にフォーカスしないといけないと思います。男女の差というのは僕はあまり感じていないですが、一人ひとりが持つチームへの感情、チームメートに対する想いが男子よりも強いというのは感じます。そこは、戦術や細かいこと以外にも大切にすることがあるなとコアラーズに来て気づかされたので、選手に教えてもらうことも多いですし、僕自身も含めてチームとして成長していきたいところですね」











