B2経験のあるクラブが上位争いを演じている今シーズンのB3。一方で昨シーズンのプレーオフ進出クラブがやや苦戦しているところもあり、まだレギュラーシーズン中盤に差しかかったところとはいえ、混戦になることも予想される展開だ。もちろんそこには、躍進するクラブの存在がある。
創設3シーズン目でまだB2経験のない東京ユナイテッドバスケットボールクラブも、第11節までの時点で2敗しかしておらず、しかも11連勝中と勢いは加速していた。その東京Uが第12節に迎え撃ったのが岐阜スゥープス。その岐阜こそが、今シーズンの飛躍に期待がかかるクラブの筆頭と言っていい。
結果としては、岐阜はGAME1で第4クォーターに失速して73-90の黒星。続くGAME2も、1試合平均失点がリーグ最少の東京Uから前半に48点を奪ってリードしたものの、後半は30点にとどまり、78-91で敗れた。前半に14得点を稼いだ古賀森人も、後半はシュートチャンスを減らして無得点。古賀は、チーム全体の遂行力の差を感じたという。
「今日は自分たちが細かいところを徹底できなかった。相手は第1クォーターから第4クォーターまでしっかりやっていて、やりきる力というのは相手のほうが上だったのかなと思いました。前半はディフェンスから当たれて、良い流れもきてリードしたんですが、なんとか耐えたというイメージもあったし、後半は相手の流れがくるだろうなとは思ってて、そこでどれだけ我慢できるかというところで我慢できなくて離されたという試合でした」
古賀個人は、前述の通り14得点。「僕がどうやったらボールを貰えるかを考えて動いた結果、フリーでボールを貰うことができた。シュートタッチは日によって変わるので、今日はたまたま入っただけという感じです」と控えめだが、今シーズンはこの試合で2ケタ得点が10試合目と、得点源の一角となっていることは数字が証明している。
岐阜はこの時点で12勝10敗と勝率5割を超え、プレーオフ圏内のリーグ7位につけている。チームが確実にステップアップしている感触を古賀に問うと、名古屋ダイヤモンドドルフィンズから故郷に戻り、新指揮官となった小林康法ヘッドコーチの名を挙げた上で「それは間違いなくあります」と胸を張る。
「僕は昨シーズンバスケをしてなかったんですが、2年前にいたときとはまるで違うチームというか……今までのコーチがそうじゃないということではないんですが、HCがドルフィンズでやってた人なのですごく知識もあるし、信頼できる、ついていきたいと思える人。僕自身、今シーズンのスゥープスは楽しみですし、皆さんにも期待してほしいです。今週は2敗したんですが、肩を落とす必要は全くないです」
古賀自身のコメントにもあるが、昨シーズンの古賀はバスケットから離れていた。ルーキーイヤーから2シーズン岐阜でプレーした後、ステップアップを期して名古屋Dの練習生となりながら、わずか2カ月で名古屋Dを離れ、1年間の浪人生活を送っていたのだ。「個人的な事情で、何か悪さをしたわけじゃないです(笑)」と語る本人は、思いがけず始まった浪人生活を実りあるものにもしていた。